2010 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ原発事故後の大規模コホート分子疫学調査
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22256004
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 俊一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30295068)
大津留 晶 長崎大学, 大学病院, 准教授 (00233198)
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50284683)
光武 範吏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50404215)
サエンコ ウラジミール 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30343346)
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Keywords | チェルノブイリ / 甲状腺がん / 分子疫学調査 / がん組織バンク / 放射線影響 |
Research Abstract |
チェルノブイリ甲状腺がん患者の追跡調査では、標準化した検診プロトコールならびに病理診断基準を導入し、患者登録・病理組織収集、血液その他サンプリングを同一プロトコールで推進することができた。特にChernobyl Tissue Bankの運営と活用では国際科学委員会へ専門家を英国ロンドンに派遣し、その成果を発表することができた。ロシア連邦オブニンスク医学放射線研究所との共同研究による術後甲状腺がんの予後因子について論文公開することができた。放射線誘発と散発性の両者の間で特に異なる予後因子は無く、全摘手術と術後放射性アイソトープ治療の有用性が証明された。放射線疫学調査研究ではドイツグーテンベルグ大学マインツと学術共同研究を開始し、11月長崎でワークショップを開催した。またWHOジュネーブ本部で主導したチェルノブイリ関連プロジェクト及び医療被ばく関連プロジェクトを共同展開し、国際社会への情報公開と国際放射線保健分野での連携強化を推進し、2011年2月長崎において第13回WHO-REMPAN国際専門家会議を開催した。なお継続してミンスク市のベラルーシ卒後医師教育アカデミー内にある分子生物学ラボの運用を強化し、収集してきた甲状腺がん症例1000例、対照コントロール1000例の生体試料を用いてDNA抽出に成功し、その一部を用いた網羅的遺伝子解析による遺伝子多型の成果を公表した。すなわち放射線誘発甲状腺乳頭癌における発がんリスクとして、甲状腺特異的転写因子であるTTF2(FOXE1)の遺伝子多型が、散発性と同様に強い相関関係が共通して見出された。しかし、一部放射線発がんに特異的な多型の存在も示唆され、今後環境因子と遺伝的素因との絡みで放射線発がんの分子機構の解明が期待される。ミンスクから招聘した共同研究者は臨床サンプルを用いた論文の作成中であり、継続して現地情報を加味した診断治療の新展開を目指すことができた。
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Research Products
(30 results)