2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザコンテキストに応じた電力管理による省電力コンピューティング環境の研究
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22300015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 宏 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (20212102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 美太郎 東京農工大学, 共生科学技術研究科, 教授 (10208077)
近藤 正章 電気通信大学, 情報システム学研究科, 准教授 (30376660)
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Keywords | 省電力化 / コンピューティング / ユーザコンテキスト / ユーザ環境 / 動的電源制御 |
Research Abstract |
ユーザとのインタラクションで処理を行うフロントエンド系の情報システムの省電力化を目指し、ユーザコンテキストのモデリングと省電力アルゴリズム、および省電力ハードウェアに関する研究を実施した。前者に関しては、前年度に得られた、従来機器のタイムアウト時間に基づく省電力化手法の問題点整理に基づき、ユーザからのリクエスト間隔を予測し、省電力効果:タイムアウト時間を待つことなく迅速に電源を遮断、ユーザストレス低減:次のリクエスト到着を予測し十分事前に立ち上げる、の2つの指標を達成可能な動的電源制御の実現を目指した。電源管理対象ハードウェアとして、立ち上がりに時間を要しユーザにストレスを与えることの多いネットワークインタフェースとHDDを取り上げ、過去のリクエスト間隔から次のリクエスト到着時刻を予測するアルゴリズムを複数提案し、実際に複数ユーザに対し採取した使用状況のログをもとに評価を行った。具体的には、常にリクエスト間隔が一定であるとみなすもの、次のリクエスト到着予想時刻を直前の予測とのずれに応じて線形に修正するもの、次のリクエスト到着予想時刻を過去の全ての予測とのずれに重みを付けて修正するもの、である。その結果、次のリクエスト到着時刻と過去のリクエスト状況の間の相関に2種類あり、直前の使用状況に大きく依存する場合と、遠い過去の使用状況に依存する場合があることが判明した。また、これらの結果から、時間に関して階層的に過去の履歴を用いることの有効性も示唆された。 また、ハードウェアに関しては、性能と消費電力のモデリングが必要となることから、フロントエンド系の情報端末でも近年採用されつつあるマルチコアプロセッサの性能と消費電力のモデリングを実施し、スケジューリング時の性能低下を抑える方策について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的にある、ユーザとのインタラクションで処理を行うフロントエンド系の情報システムの省電力化を目指すために最も基本となる省電力アルゴリズムの部分で、当初予定通り前年度の改良を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ユーザの快適さを十分に担保しつつ省電力なコンピューティング環境を実現するための、プロトタイプ実装に向けて、研究分担者との連携をより密に行うことでさらに推進していく。
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