2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザコンテキストに応じた電力管理による省電力コンピューティング環境の研究
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22300015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 宏 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20212102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 美太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10208077)
近藤 正章 電気通信大学, その他の研究科, 准教授 (30376660)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 省電力化 / コンピューティング / ユーザコンテキスト / 動的電源制御 |
Research Abstract |
ユーザとのインタラクションで処理を行うフロントエンド系の情報システムの省電力化を目指し、ユーザコンテキストのモデリングと省電力アルゴリズム、および省電力ハードウェアの研究を実施した。 前者に関しては、前年度までも実施していたリクエスト間隔の予測を改良した。対象とするハードウェアを無線LANアダプタとした場合、ユーザからの要求とシステムからの要求が混在し、それぞれの要求が異なるリクエスト間隔を有することがわかった。そこで、要求元はプロセスIDからわかることに着目し、要求元ごとにリクエスト間隔を予測する手法を提案したところ予測精度を上げることに成功した。次に、タイムアウトでスリープし予測リクエスト間隔に基づき事前にウェイクアップする省電力アルゴリズムを提案した。ユーザの快適さと省電力化を両立させるため、要求元ごとに予測したリクエスト間隔に基づき、次にユーザからのリクエスト到着が予想されるときだけ予測間隔に基づきプリウェイクアップするが、そうでない場合はプリウェイクアップせずに要求を受け付けてからオンデマンドで起動する手法を提案した。これにより、ユーザの快適さを担保しつつ省電力効果を向上できることを確認した。 省電力ハードウェアとしては、立ち上がりに時間を要しユーザにストレスを与えることの多い無線LANアダプタと補助記憶装置を引き続き検討した。補助記憶装置に関しては、容量の観点からHDDを主とし、そのキャッシュとしてSSDを使う構成を検討した。HDDは非アクセス時も動作中は物理的な動作(スピン)を伴うため消費電力が大きい。OSの関与でアクセスをSSDへ集中させることができればHDDをスピンダウンすることがするため大きな省電力化が期待できる。一方、ユーザへのストレスを提言するためには、SSDキャッシュミス時にアクセスするHDDのプリウェイクアップも望まれることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も基本となる省電力アルゴリズムの部分で省電力効果を確認することができた、さらにハードウェアとシステムソフトウェアの連携による省電力化の見通しが補助記憶部において得ることができた。これらは当初予定通りの進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
ユーザの快適さを十分に担保しつつ省電力効果の高いコンピューティング環境の実現に向けて、研究分担者との密な連携の下で成果を統合することで、当初の研究目的を達成することを目指す。
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Research Products
(1 results)