2010 Fiscal Year Annual Research Report
協調アプリケーションを実行する基盤としての分散型Webブラウザ
Project/Area Number |
22300020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新城 靖 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00253948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 聡 筑波大学, システム情報系, 講師 (90285429)
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Keywords | World Wide Web / 分散型オペレーティングシステム / インスタントメッセンジャ / Webブラウザ / マッシュアップ / 利用者認証 / 国際研究者交流 / アメリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は、Webブラウザを、協調アプリケーションを実行するための分散型オペレーティングシステムとして設計しなおすことである。これを分散型ブラウザと呼ぶ。分散型ブラウザは、アプリケーションに対して安全な通信、利用者認証、永続データアクセス等の開発に有用な機能を提供する。本研究では、アプリケーションとして個人用マッシュアップツール、コメント共有、セッション共有等を開発し、分散型ブラウザの機能を検証する。 分散型ブラウザは、基盤層、ブラウザ層、アプリケーション層に分割して開発する。平成22年度には、まず基盤層の安全な通信と利用者認証を実現した。本研究では、これらをインスタントメッセンジャ Skypeの機能を利用して実現した。基盤層で提供する分散ストレージ機能としては、Lindaのタプル空間と同等のものを実現した。 ブラウザ層としては、Google Chromeを改変して実現した。Google Chromeに対してC++言語によるプラグインと呼ばれる機能拡張モジュール、および、JavaScript言語によるアドオンと呼ばれる機能拡張モジュールを追加した。プラグインでは、Skypeの機能を呼び出して安全な通信と利用者認証を実現した。アドオンでは、オペレーティングシステムにおけるプロセスの概念と類似の概念を実現し、利用者の識別子を用いたアクセス制御を可能にした。実現したブラウザ層の機能を用いて、協調利用者間で遠隔からWebページを開くアプリケーションを実現した。 さらにアプリケーションとして、個人用マッュアップツールを実現した。これは、利用者の立場に立ち、インターネット上に分散した個人の資源を統合して利用する仕組みを提供するものである。この実現は、Google Web Toolkitを用いJava言語により行った。
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Research Products
(3 results)