2011 Fiscal Year Annual Research Report
協調アプリケーションを実行する基盤としての分散型Webブラウザ
Project/Area Number |
22300020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新城 靖 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00253948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 聡 筑波大学, システム情報系, 講師 (90285429)
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Keywords | 計算機システム / ネットワーク / 分散システム / World Wide Web / 協調作業 / 国際研究者交流 / アメリカ |
Research Abstract |
Webブラウザは、サーバ側で動作するプログラムのための利用者との入出力機能、および、拡張機能モジュールやプラグインの実行環境を提供しているという意味で、従来のコンピュータにおけるOS(Operating System)の役割を果たしていると言える。しかしながら、もともとOSとして設計されていないので、協調作業を支援するようなアプリケーション(協調アプリケーション)を動作させようとすると、極めて貧弱な機能しか提供していない。本研究では、Webブラウザを、協調アプリケーションを実行するための分散型OSとして設計しなおす。これを分散型ブラウザと呼ぶ。分散型ブラウザは、アプリケーションに対して安全な通信、利用者認証、永続データアクセス等の開発に有用な機能を提供する。 本研究で実現する分散型ブラウザは、基盤層、ブラウザ層、アプリケーション層に分割して開発する。平成23年度は、基盤層の機能として、グループ管理機能を追加した。グループとは、複数の利用者の集合であり、家族や研究室等、、物理的な部屋を共有する程度を想定する。1人の利用者は複数のグループに属することができる。グループは、ある特定の利用者から見てユニークになるような名前で管理する。利用者は、グループを用いてアクセス制御のポリシーを記述できるようになった。 平成23年度には、アプリケーションとしてセッション共有を実現した。これは、既存の協調ブラウジングを発展させ、複数人で1つのセッションを中央のサーバを用いることなく安全に共有できるようにする。具体的には、セッション・クッキーと呼ばれるデータをブラウザ間で受け渡す機能により実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的で述べた分散型ブラウザの機能の大部分を実現しつつある。研究の計画では、ブラウザ本体の機能としては、入力フック,および、出力フックの機能を追加と述べたが、現在までにその機能を用いることなく研究の目的が達成される見通しを得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の分散型ブラウザは、利用しているSkypeに障害が発生すると利用できなくなるという問題が判明した。今後は、基盤層の機能として、XMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)を利用するものを実現したいと考えている。これにより、Skypeに依存している問題を解消し、単一障害点をなくす。
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Research Products
(3 results)