2011 Fiscal Year Annual Research Report
光ネットワーク制御を用いた進化型高速情報転送基盤の研究
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22300027
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
戸出 英樹 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20243181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 陽祐 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90548497)
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Keywords | 光ネットワーク / コンテンツ配信 / 進化計算 / オーバーレイルーチング / アメーバノード |
Research Abstract |
1.進化型自律分散ネットワーク制御機構を実現する進化計算アルゴリズムの提案とパス制御機構への応用 平成23年度は、自律分散的に動作し、状況に応じて学習を繰り返し進化する性質を有するネットワーク制御機構の確立をめざし、特に、アメーバノードコンセプトを導入した光/IPネットワーク基盤に対し、進化計算の一種であるGenetic Algorithmをベースとした進化型動的網構成制御機構の基本部分を提案した。本提案制御機構では、トラヒック発生量など状態パラメータを一定周期毎に入力し、継続的に進化型アルゴリズムを遂行する。前回の解からの極端な変更は制御の複雑さや既存パスの品質劣化につながるため、現状解に対する差分が一定以上の場合にはペナルティを設け、GAの子孫に反映しない制御を組み込んだ。進化型計算の目的関数に関しても検討を重ね、トラヒックデマンドとホップ数の積の総和が最小となる関数を採用するに至った。計算機シミュレーションを通じてその有効性を明らかにした。 2.P2P-光ネットワーク連携型コンテンツ配信基盤の改良と性能評価を通した有効性検証 平成22年度に詳細設計を行い、基本性能評価を行ったP2P-光ネットワーク連携型コンテンツ配信基盤、光/IPネットワーク基盤に対し、その性能を評価した。特に、実インターネットの形態を考慮し、上位ASに下位ASが接続された階層型ネットワーク構造を想定してピアの近傍性を考慮した接続候補のリストを構成すること、さらに、極端な局所化を避けるため、オリジンから直接データを受け取るコアピアを導入し、当該リスト内に組み込んだ。この方式による設定光パス長の短縮を定量的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿った形で基本提案方式の立案、詳細設計、有効性の評価と着実に進捗している。予定していなかった機能を新規に導入するなど、一部ではあるが、予定を上回る拡張方式となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は平成23年度に提案し、基本性能を明確化した方式に対し、より一般的な環境で多面的な性能評価を行い、提案方式の洗練化を図る予定である。順調に計画が推移していることから、基本実験を行うためのエミュレーション機能を実現するプロトタイプ試作にも取り掛かる予定である。これにより、最終年度の実証実験評価をスムーズに行うことを狙っている。
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