2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300028
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
菊池 浩明 東海大学, 情報通信学部, 教授 (20266365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 淳 筑波大学, システム情報工学研究科, 准教授 (90376963)
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Keywords | プライバシー / データマイニング / 疫学調査 / 暗号プロトコル / 垂直分割 |
Research Abstract |
本研究では,病歴と患者リストを管理する病院Xと喫煙や放射線従事者などの個人属性を有する組織Yの間で,喫煙とがん罹患率の相関を解析する疫学調査を目的とする.病歴は最も機微なプライバシー情報であり,組織を超えて比較を行うことが困難である.そこで,暗号理論に基づくプライバシー保護データマイニングプロトコル技術を適用し,XとYの持つ個人情報を漏らすことなく,個体集合(喫煙)Bの元での罹患率Aを表す条件付確率P(A|B)を計算することを試みる.従来のモデルと異なり,組織AとBがそれぞれの個体識別番号を独立に管理している仮定の上での計算に本研究の独創性がある.本研究で開発するプライバシー保護疫学調査システムは,罹患率だけではなく,異なる組織間での商品推薦など幅広い応用に適用の可能性を持つ. 平成23年度には,(2)がん疫学調査の実施に関わる調査,(3)プライバシーを保護した疫学調査プロトコルの設計に取り掛かった.がん疫学調査の現状と課題を調査した結果を研究会にて発表した.また効率的に疫学調査を実施するためにBloom Filterの手法に着目し,それを用いて照合にかかる通信コストと計算コストを大きく改善する暗号プロトコルを国内シンポジウムにて発表している.昨年度行った垂直分割によるデータマイニングに関する実験結果を国際会議にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本となる提案プロトコルを提案し,その実装作業にかかっている.ほぼ計画通りと判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,昨年度に設計したプライバシー保護プロトコルを実装し,現実の疫学データセットに適用してその実用可能性や新たな課題などを抽出することと試みる予定である.
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Research Products
(6 results)