2013 Fiscal Year Annual Research Report
三次元モーションデータベースを用いたダンス自動振付システムの実用化
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22300038
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
海野 敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (80232891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 麻佐子 龍谷大学, 理工学部, 講師 (40388161)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 芸術諸学 / 舞踊学 / 自動振付 / モーションキャプチャ / データベース |
Research Abstract |
本研究は、5年間の研究期間で「データ収録→システム開発→評価実験」のサイクルを反復させながら進めている。このサイクルは次の8フェーズから構成されている。(A)ダンスの構造分析と要素動作の抽出→(B)プロダンサーの実演によるモーションデータの収録→(C)モーションデータの加工・編集→(D)モーションデータベースの構築→(E)自動振付アルゴリズムの考案→(F)システムインタフェースの構築→(G)システムの評価実験→(H)研究成果の発表。 平成25年度は、現代舞踊(コンテンポラリーダンス)とヒップホップダンスをフィールドとして、以下の作業を行った。 (A)ダンスの構造分析と要素動作の抽出:現代舞踊の振付家である平山素子氏と、ヒップホップダンスをベースとした現代舞踊の振付家であるKENTARO!!氏の協力を得て、それぞれ振付の時空間構造の分析を行った。(C,D)モーションデータの加工・編集、モーションデータベースの構築:収録済みのモーションデータを、龍谷大学において曽我の指導で学生の協力で加工・編集した。(F)システムインタフェースの構築:タブレット端末で利用できる"Body-part Motion Synthesis System"(以下,BMSS)を開発し、振付支援の機能を充実させると同時にユーザインタフェースを向上させた。(G)システムの評価実験:BMSSの振付教育における効果と作品創作における有用性を評価する実験を筑波大学とカリフォルニア大学アーバイン校において行った。筑波大学の学生10名とカリフォルニア大学の学生8名が被験者となった。また、筑波大学の実験結果については、さらに日本の舞踊評論家5名を被験者として二次的な実験を行った。(H)研究成果の発表:国内外の関連学会において研究発表を順次行い、また複数の論文を査読誌へ投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに「モーションデータの加工・編集」、「モーションデータベースの構築」、「システムインタフェースの構築」、「システムの評価実験」のそれぞれの作業を順調に進め、さらに予定通り「研究成果の発表」も行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに「モーションデータの加工・編集」、「モーションデータベースの構築」、「システムインタフェースの構築」、「システムの評価実験」のそれぞれの作業は順調に進められているが、一方で、「ダンスの構造分析と要素動作の抽出」に困難がともなっており、そのため「自動振付アルゴリズムの考案」が期待よりも滞っている。いままでの研究より、振付の時空間構造の分析は、抽象度の高い舞踊学的な知見からは議論することができても、工学的に操作可能な水準で記述することがきわめてむずかしいことが明らかとなった。 そこで、厳密な理論に基づいて「ダンスの構造分析と要素動作の抽出」を行うことには拘泥せず、具体的な「自動振付アルゴリズムの考案」を優先させて研究の進行ペースを速める。そのために、プロフェッショナルな振付家として創作活動を行っている専門家と十分に連携し、振付に関する暗黙知を部分的に抽出して、それを実装可能なアルゴリズムに形式化するよう努める。
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Research Products
(10 results)