2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブル環境における視覚情報支援のための超広視野頭部搭載映像装置に関する研究
Project/Area Number |
22300043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清川 清 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60358869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間下 以大 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助教 (00467606)
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Keywords | 映像提示装置 / 撮影装置 / 行動支援 |
Research Abstract |
本研究ではウェアラブルコンピューティングの可能性を広げるために、人の広い視野角を活かした情報提示や視線検出が可能な頭部搭載型の映像装置と、それに適したユーザインタフェースを開発することを目的としている。 平成23年度は、前年度に試作した、短冊構造を備える再帰性半透過スクリーンを用いて投影映像の品質評価を目的とした一連の実験を実施した。知覚距離に関する実験では、観察距離で3m程度の実物体に重畳した場合でも距離の不整合を感じること無く投影映像を観察できることが明らかになった。換算視力に関する実験では、実環境と投影映像を同時に観察する条件下で、0.05~0.1程度の視力相当の解像力で情報提示が可能であることが明らかになった。また、周辺視野に関する実験では、水平視野角100度程度までは十分提示情報を認識できることを確認した。これらの成果に対して国際会議ICAT2011にて最優秀論文賞を受賞した。 一方、インタフェース系の研究として、広視野シースルーHMDの利用を想定、周辺視野を有効活用した情報提示手法を検討し、その有効性を評価した。HMDの視野外の情報へのアクセスを支援する注釈提示手法を実装し、これらの注釈提示手法の有効性を没入型投影ディスプレイを用いたVR環境により評価した。実験の結果、注釈対象位置に重ねて注釈を表示する手法に比べ、紐付き注釈により注釈対象の発見率が向上することが明らかになった。また、注釈に誘目動作を与えることで、周辺視野への提示情報の認識率を向上できることが明らかになった。さらに、誘目動作の効果は視角の増大につれて小さくなることが明らかになった。オンラインで実行時にARコンテンツを追加・加工が可能なインタフェースをデスクトップPC・タブレットPCで実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表示系に関しては順調に各種映像品質評価実験を実施し,興味深い実験結果が得られており,国際会議で最優秀論文賞を受賞するなど,当初計画以上の成果が出ている.インタフェース系に関しても,ARコンテンツ操作インタフェースの研究開発以外に,広視野HMDを活かす情報提示方針を調査する実験が進行しており,当初計画以上の成果が出ている.撮像系に関しては,カメラ治具の費用が予想を上回り,次年度予算で導入することとなったことなどから研究が進展していない.以上計画以上の部分と計画以下の部分があるが,総合的に判断して,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,平成23年度に計画して前項に記した理由で進展していない撮像系の研究を加速させる必要がある.5月中にも必要機材の調達を済ませ,夏~秋にかけて研究を進めていく.表示系に関しては映像品質の実用性は確認できたが,HMDのサイズが大きくやや嵩張ることから再帰性半透過スクリーンの小型化を行い,屋外システムを実現する.インタフェース系については前年度までに実現した情報提示方針に従い,表示系との統合を検討する.いずれも実施可能で無理のない計画と考えている.
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Research Products
(16 results)