2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブル環境における視覚情報支援のための超広視野頭部搭載映像装置に関する研究
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22300043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清川 清 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60358869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間下 以大 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助教 (00467606)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ウェアラブル機器 / 映像提示装置 / 撮像装置 / 行動支援 |
Research Abstract |
【表示系】平成24年度は,前年度までに設計・試作した超広視野再帰性透過スクリーンを用いた超広視野頭部搭載型プロジェクタに適した情報配置方針について引き続き検討し,被験者実験を実施した.実験条件としては,広視野没入型表示装置CAVEのみを用いた場合と,実機を併用した場合の2条件で実施した.その結果,水平視野角120度まで視野が広くなるほど情報発見率が向上すること,提示視野角を超える範囲の情報を視野外縁部に表示するとさらに情報発見率が向上すること,提示視野角を超える範囲の情報を視野外縁部に表示する場合は,視野角が狭いほど情報発見率がさらに向上するが,50度程度を下回る場合は目下の作業の妨げとなり主観評価が劣化すること,などが明らかになった. 【撮影系】超広視野頭部搭載型カメラについて,ステレオカメラを用いた方式への拡張を行った.また,アピアランスベースの視線推定について引き続き検討し,環境の明るさにロバストな方式を考案し,試作した.提案手法では,白飛びや黒つぶれなく広範囲のダイナミックレンジにおいて撮影が可能なHDRカメラを用い,さらにフレームごとに二値化閾値を動的に決定することで安定して画像処理を行うことにより,従来よりも高精度にアピアランスベースの視線推定が可能となった. 【インタフェース系】実際に屋外でHMDを用いて情報提示を行う際に,背景の明るさや輝度の均一性などを考慮して,提示情報を視認しやすい表示位置を動的に変更する方式を考案し,試作した.本手法は国際会議で最優秀賞を受賞するなど,高い評価を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【表示系】当初予定では,小型軽量化を優先して研究を推進することとしていたが,情報提示方針の確立を優先するほうがよいと判断し,それに関する評価実験を実施した.その結果,小型軽量化を進めるにあたっても参考となる有益な知見が得られた.これらの知見は,今後のハードウェア開発時の指針となるものであり,平成25年度に実施する予定の改良型ハードウェア設計の基礎となる. 【撮影系】当初予定通り,ステレオカメラを用いた方式への拡張を行い,その基本的性能を確認した.また,アピアランスベースの視線推定手法の改善を優先し,まずは単眼・両眼の違いに依存しない撮像部分・画像処理部分についてロバスト性を向上し,推定精度を向上した.ステレオカメラを活かした視線推定の高精度化については平成25年度に実施することとした. 【インタフェース系】実際に屋外でHMDを利用する場合の,安全性評価,情報配置方針を中心に実施した.特に情報配置方針については周囲環境の中で視認性に最も優れる箇所を自動的に判断する方式を考案し,その有効性を確認している.表示系・撮影系で実施している研究との統合は平成25年度に実施することとした. 【達成度評価】それぞれのサブ項目において,順調に研究を実施している.当初予定よりもそれぞれの項目における検討をより深く慎重に進めており,研究成果も上がっている.その一方で,当初予定していた各サブ項目の統合検討などが積み残しとなっている.概ね順調であるが,今後は最終年度に向けて全体計画に照らしあわせた統合試験などの項目の優先度を上げていく必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
【表示系】前年度までの成果を発展させ,ハードウェアの小型軽量化を進めていく.また,屋外での利用可能性を検証し,インタフェース系で検討した情報提示方式の有効性を被験者実験を通じて確認する. 【撮影系】前年度までの成果を発展させ,ステレオカメラを活かした視線推定の高精度化を実施する.また,撮影画像中の手指の三次元位置推定についても検討する. 【インタフェース系】前年度までの成果を発展させ,表示系で検討しているHMDとインタフェース系で検討している情報提示方式の統合を行い,その有効性を検証する.また,撮影系の成果との統合についても検討し,視線推定などを用いたユーザインタフェースについてもさらに検討を進める.これらを通じて研究成果全体の総括を行う.
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Research Products
(7 results)