2012 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報を活用した対話的情報アクセスのための情報編纂研究基盤の構築
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22300048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 恒昭 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60334299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 光範 関西大学, 総合情報学部, 教授 (50396123)
神門 典子 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80270445)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 対話的情報アクセス / インタラクション / 情報可視化 / 技術評価 / 評価ワークショップ |
Research Abstract |
情報の膨大さと多様性,そして利用者自身が情報ニーズを事前に充分詳細化していないことから情報アクセスは対話的探索的となる.視覚情報を用いたインタラクションでこの過程を支援しようと情報可視化技術を活用することが研究されているが,人間である利用者を内包するために,評価の数値化定量化が難しいことが課題となる.本課題では,対話的探索的情報アクセスにおける様々な形での視覚情報の利用を検討していくと同時に,対話的・探索的な情報アクセスを支援する環境を評価する枠組みを確立し,情報可視化を活用した対話的情報アクセスに関する研究の加速と活性化を目指している. 対話的探索的情報アクセスにおける様々な形での視覚情報の利用としては,写真等を含んだ様々なメディアからなり,時間軸に位置づけられた情報へのアクセスを支援するシステム,試行錯誤的なテキスト分析を支援するための可視化マイニング環境の利用,視線インタフェースを用いて,対話的情報アクセスを行うシステムの開発を行った.視線インタフェースについては,利用者を含んだ評価実験を行い,利用者側ログ情報の分析を進めている. 評価の枠組み作りの第一歩として,被験者実験をより洗練された方法で行い,様々なデータを収集する枠組みを設計し,情報アクセス技術の評価に関するワークショップNTCIR-9にてパイロットタスクVisEx(Interactive Visual Exploration Task)として実施した.今年度はそこで得られたデータの分析を継続して行っており,特に実験参加者(利用者)が行った情報アクセス過程の成果であるレポートの分析を進めた.合わせて,対話的探索的な傾向が典型的に現れるようなタスクの設計を検討している.技術論文を文書集合とした情報アクセスを候補として問題点の洗い出しを進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対話的探索的情報アクセスにおける様々な形での視覚情報の利用については,おおむね順調に進展している.一方,評価の枠組み作りの第一歩として行った被験者実験のデータ分析は,得られたデータが思いの他複雑であり,その分析に時間を要している.また,初期の分析から,実験の枠組みの改善の必要性が示唆されており,追加の検討が必要となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
視線インタフェースを用いた対話的情報アクセスについて,利用者側ログ情報を動的に分析し,その時点で実施されているタスクの難易度,それに対する利用者の態度のモデルを構築することを検討し,それを利用者支援の提供に繋げることを目指す. 評価の枠組みの構築としては,得られたデータの分析を引き続き進めると共に,対話的・探索的情報アクセスという行為が典型的に出現するタスクの設計を検討する.一概に情報アクセス行為といっても,そこにおける利用者の振る舞い,得られた情報の良し悪しの基準,情報アクセス行為という過程全体の良し悪しの基準等は,具体的な情報要求によって大きく異なる.対象文書集合を技術論文とし,それに対して複数のタスクを設計し,それぞれの特徴づけと,それを反映させた評価尺度の構築・提案を行う.
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Research Products
(7 results)