2010 Fiscal Year Annual Research Report
学際的アプローチに基づく参照機能オントロジーの構築と知識相互運用ツールの開発
Project/Area Number |
22300053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
来村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20252710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 理一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20116106)
古崎 晃司 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00362624)
笹嶋 宗彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80402999)
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Keywords | 知識工学 / オントロジー / 知識モデリング / 機能表現 / 工学設計 / 相互運用性 |
Research Abstract |
本研究は,哲学分野の知見を踏まえた学際的アプローチで人工物と生体器官の機能について深く考察し,包括的な体系を構築することで,分野を越えた知識の相互運用を実現することを目標としている.平成22年度では,人工物に焦点を絞り,人工物そのものとその機能について考察を行った まず,実施計画項目(1)の哲学的知見の整理については,海外研究協力者である科学哲学者のオランダ・デルフト工科大学のPeiter Varmaasを交えて行った議論に基づいて,人工物の持つ機能や機能の不全状態に関して,従来の工学的知見に哲学的知見を加えることができた 次に,項目(2)と(3)の人工物機能を分類する視点の同定については,まず,海外研究協力者であるイタリア国立研究機関認知科学技術研究所のStefano Borgo, Nicola Guarinoらと行った,人工物特有の概念である「使用」概念についての議論の結果も踏まえて,人工物とその機能の本質的な性質を明らかにした.次に,アメリカ標準技術局の機能語彙体系であるFunctional Basisの意味定義を精査し,分類視点を同定するとともにそれらの間の関係を明らかにした 以上の結果を踏まえて,項目(4)と(5)の機能カテゴリの同定とオントロジー構築を行った これらの研究過程において,特に海外研究協力者らとの議論を通して,人工物そのものの概念定義についての考察も進み,人工物概念の複数の定義の間の関係を明らかにすることができた。この知見は,人工物概念の本質を明らかにし,生体との違いを明確にすることで,本研究の目指す分野を越えた機能的知識の相互運用の実現に貢献する
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