2011 Fiscal Year Annual Research Report
超多数マルチエージェントシステムの能力を引出す交渉プロトコル・戦略の研究
Project/Area Number |
22300056
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 俊治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70396133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 聡 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30397658)
|
Keywords | マルチエージェントシステム / 交渉プロトコル / 負荷分散 / 調整メカニズム / 大規模分散システム / 自律エージェント / 契約ネットプロトコル / 学習 |
Research Abstract |
本年度(2年目)は、本研究で提案したphantom taskを利用して、周囲の状況を推定して適切なエージェントにタスクを割り当てる研究を進めた。このためのシミュレーション環境を作成した。また合わせて、組織構造として階層構造を導入し、これに学習を加えることで効率的な割り当てが可能になることを示した。さらに、エージェントに割り当てられたタスクに対する報酬を学習させ、チーム編成に対する役割を自律的に学習させることで、効率化が可能なことを示唆した。 Phantom taskとは、実際にタスクの実態はないが、それが存在するとしてエージェントに割り当てのメッセージを送り、入札を得るものである。その入札状況を解析することで、周囲のエージェントの状態を推定する。実際に処理すべきタスクはないので、特に大きな負荷は発生しない(若干の通信コストがかかるが、現状の高速ネットワーク環境では軽微なものと考えられる)。この評価のためのシミュレーション環境については、実装をほぼ終え実験を部分的に開始し始めた。今後、いくつかの条件下で提案する手法の有効性を評価する。 エージェント間に構造(エージェントネットワーク)を導入し、割り当て学習と共に構造の改変を行い、全体として効率化をねらった。これまで学習を行い割り当てに適切なエージェントを同定する手法は提案されていた。しかし、大規模なマルチエージェントシステムでは、ここの独立した学習が行き過ぎ、タスクの集中が起こり結果として全体のリソースを有効利用できないという課題があった。本研究では、エージェントネットワークを合わせて変えることで、集中にも対応できる構造と変化させた。またこのほかに、自己の役割を学習させる手法も導入した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーション環境の実装は、やや遅れていると言える。しかし、組織構造や学習手法をいれた方法は、いくつかの進展があり当初予定よりやや進んだといえる。これらを勘案し、全体として、計画通りと判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度以降は、シミュレーション環境を使った評価を行い、有効性を示すこと。ならびに階層構造をより一般のネットワークに展開し、大規模なマルチエージェントシステムで適用可能とする。役割の学習手法についても、より大規模なマルチエージェントシステムの環境で、現状より条件を緩めた状況での実験を行い、これらの手法の評価と手法の精査を行う。
|