2010 Fiscal Year Annual Research Report
これまでの常識を上回る精度を実現する画像からの幾何学量推定方法の研究
Project/Area Number |
22300057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡谷 貴之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (00312637)
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Keywords | コンピュータビジョン / 画像計測 / 画像認識 / 3次元形状復元 / 多視点画像処理 |
Research Abstract |
本計画では,カメラで撮影した画像を元に,空間や対象物の幾何学的情報を高精度に得るための方法を研究している.当該年度は3年計画の初年度にあたり,基礎理論の構築と発展を研究活動の中心とした.この基礎理論には幅広い応用があるが,当該年度の応用面における成果は,プロジェクタとカメラを組み合わせたプロジェクタカメラシステムを対象としたものである.そこでは,運動するプロジェクタからスクリーン等対象物に投影した映像をカメラで撮影し,その映像からシステム全体のキャリブレーションを高精度に行う方法を開発し,その性能を実証した.この方法を使えば,手に持ったプロジェクタから平面スクリーンに投影した映像が,常にスクリーン正面から見て正しい矩形の画像に見えるようにリアルタイムで補正しながら,これと同時にシステムのキャリブレーションを高精度に行い得る.この技術はたとえば,近年小型化の著しい携帯型のプロジェクタでの利用が考えられ,ユーザーは見たいコンテンツを投影しているだけで,何ら付加的な作業を要さず自動的に映像補正が行えるようになる.また同手法は,システムの断続的時間変化をも扱えるようにしている.たとえば,映像投影中にカメラやスクリーンが移動した場合でも,数秒後には自動的に映像を正しく補正するに至る.以上の成果は,トップレベルの国際会議にて発表され,また国際会議の招待講演にて公表された.残る2年の計画期間において,さらなる理論の深耕と,応用の開拓を行う予定である.
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