2011 Fiscal Year Annual Research Report
これまでの常識を上回る精度を実現する画像からの幾何学量推定方法の研究
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22300057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡谷 貴之 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (00312637)
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Keywords | コンピュータビジョン / 形状計測 / 3次元形状復元 / 市街地モデリング / 多視点画像 |
Research Abstract |
当該年度においては,次の2つの項目について研究を実施し,それぞれ以下に述べるような成果を得た. 1.カメラを動かして撮影した画像を元に,カメラの動きと対象の3次元形状を同時に復元するstructure from motionの問題をはじめとし,照明方向を変えて得た複数枚の画像の解析などのさまざまな問題に適用可能な,低ランク行列分解の新しいアルゴリズムを開発した.この方法は,推定精度の犠牲を最小限にとどめ,現時点で知られている同種の方法の中では,最も計算速度が高速である.以上の方法について成果をまとめた論文は,同分野で最高水準の国際会議(ICCV2011)に採択され,そこで成果を公表した. 2.拡張現実感やビジュアルサーボで特に良く使われる平面の画像追跡の新しいアルゴリズムを開発した.3次元空間を平面が運動するとき,その平面を撮影した動画像上でこれを追跡する方法である.従来の方法は,追跡対象平面がカメラから遠ざかったり,あるいは著しく傾く場合に,追跡性能が大きく低下する問題があったが,画像の標本化過程を考慮し,これをモデリングした上で,追跡アルゴリズムに組み込むことで,これらの問題を解決することができた.成果をまとめた論文の一つは,国内最大の関連会議(MIRU2011)で発表し,学生優秀論文賞を受賞した他,この他,同分野で最高水準の国際会議(ISMAR2011)のオーラルセッションに採択され,そこで一連の成果を公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理論の検討を進めるうちに,当初予想とは異なる結果が得られそうなことが判明し,これに合わせて理論の枠組みを見直す必要が生じたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,カメラを搭載した自動車を用いて,この車載カメラで撮影される映像を元に,空間の3次元形状およびカメラの運動軌跡を高精度に推定する方法の実験を行い,これまでに研究してきた方法の評価を行う.具体的には,3次元復元の結果をGPSセンサと地図情報との比較対象によって行うことや,3次元復元の結果を元に3次元モデルを生成し,その視覚評価を通じて,精度の厳密な評価を行う.また,復元対象として,東日本大震災の被災地を特に選び,その空間を対象に画像からの形状復元の実験を行う.
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Research Products
(7 results)