2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300063
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
誉田 雅彰 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90367095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
田山 二朗 早稲田大学, 国立国際医療センター病院, 耳鼻咽喉科・頭頸部外科科長 (50221403)
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Keywords | 知能ロボット / 音声情報処理 / バイオメカニックス / 生体システム / 生体制御 |
Research Abstract |
声帯の機械的実体モデルを元に病的音声の声帯振動メカエズムを解明することを目的として、昨年度に引き続き声帯実体モデルの機構の構築、病的声帯を模擬した人工病的声帯の設計、制作、および病的人工声帯を用いた病的音声の生成実検を行った。 (1)病的人工声帯の欄俸 様々な病的な声帯を模擬する入工声帯の設計、製作を行った。病的声帯としては、萎縮声帯を模擬し、左右の声帯の横幅が異なる不均一声帯、および声帯ポポリープを模擬し、片側の声帯の縁に半球上の突起をもつポリーブ声帯を作戒した。これらの人工病的声帯の作成に関しては、井同研究者より提供された人の病的声帯の形状を参照しつつ、ポリープの位置や大きさを系統的に変化させた種々の人工声幣を作成した。 (2)声帯振動実験 人工声帯に声道音響管を接続した状態で、人工肺より送り出される空気流をもとに声帯を自励振動させた。声道音響管の放射端に設置した高速度カメラを用い、声帯振動を毎秒10000コマで測定するとともに、声帯音源波形をマイクロホンにより測定した。また、高速度カメラで測定された声帯振動映像から画像処理によってキモグラプを求め、声帯振動の振動特徴の分析を行った。 (3)病的声帯振動の分析 喉頭実体モデルの左右声帯の張力、開閉度、肺圧を独立に制御することにより、多様な病的声帯の振動様式をキモグラフと声帯音源スペクトルを用いて分析した。その結果、不均一声帯およびポリープ声帯の両方で、左右の張力および開閉度を不均衡にすることにより、病的音声に固有な声帯の倍周期振動が再現できることが確認された。また、ポリープ声帯では、ポリープの大きさや位置によって倍周期振動の有無や特性が異なることを確認した。さらに、声帯モデルによって生成される病的声帯振動と声帯疾患患者の病的声帯振動とを高速度ビデオカメラ映像の元に比較し、借周期振動に関する類似性を確認した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は様々な形態の病的声帯を模擬する人工病的声帯を作成し、その振動様式を実験的に明らかにすることを目標として検討を進めた。人工声帯では、病的な形態を系統的に変換させてその振動様式を調べることが可能であり、このようなモデルの利点を生かして病的生体振動の要因と結果を系統的に調べることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに病的声帯の形態とそれによって生じる病的音声の因果関係を系統的に明らかにするとともに、病的音声の音響的性質から声帯疾患の部位を逆に特定する、いわば逆問題についても検討し、病的音声診断の基礎技術の構築に向けて研究を展開していく。
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Research Products
(3 results)