2010 Fiscal Year Annual Research Report
監視カメラ映像を警察捜査と裁判証拠に活かしきる画像処理の研究
Project/Area Number |
22300065
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山内 寛紀 立命館大学, 理工学部, 教授 (10288623)
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Keywords | 防犯カメラ / 劣化画像改善 / ナンバープレート読取 / 画像高解像 / 量子化ノイズ除去 |
Research Abstract |
劣化した防犯カメラ映像から情報を引き出す研究を行い、劣化画像改善に関して2点と、ナンバープレート読取に関して1点の成果を得た。 (1) 画像の高解像度化と鮮明化 Total Variationにてエッジ成分画像を抽出し、そのエッジ成分画像に拡大処理とモルホロジー処理を行ってエッジの鮮明な高解像度画像を得る手法を開発した。同時に、原画像がJPEG圧縮画像で、モスキートノイズが生じている場合に、生成したエッジ成分画像のテクスチャからモスキートノイズを低減する手法を開発した。また、この高解像度画像を縮尺することで、鮮明化効果の大きい画像を生成できる。防犯カメラ画像や超音波画像の鮮明化に効果的であることを実証し、国際会議にて発表した。 (2) 複合劣化画像の復元 ボヤケとブレとノイズの複合劣化画像の復元を行うため、復元後のエッジが比較的鮮明と言われているBilateral_Total Variation法について検討した。大量実験による先見的知識にてパラメータを順次設定していく手法を提案し、防犯カメラ画像で効果的であることを確認した。また、ガウス性ノイズとフレの複合劣化画像について、ブレ幅と方位を推定する技術を用いることと、カルマンフィルタと固定区間スムーザを組合わせて復元にて半因果的モデルを導入することを提案し、防犯カメラ映像で効果的であることを確認した。この成果を信号処理学会誌へ投稿している。 (3) 劣化ナンバープレート数字の読取 非常に小さいナンバープレート文字を読み取る手法を開発した。2つの過程から成っている。第1は、射影変換自由度での動画超解像にて、1枚の長方形正規化の鮮明画像を得る過程である。第2は、0から9までの10種類の大量のナンバープレート画像にて統計機械学習を行って確率密度関数と求めておき、検査画像と学習代表ベクトルとの距離を指標にSVM分類する過程である。種々の学習手法を検討し、目読不能な「2.5画素×5画素」サイズナンバープレート文字を、75%以上の精度で読取可能なことを示した。現在、IEEE主催国際会議へ投稿している。
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