2010 Fiscal Year Annual Research Report
医と食における安全・安心を目指す情報ユニバーサルデザインの創成
Project/Area Number |
22300072
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
日比野 治雄 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20222242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 慎一 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40420913)
和田 有史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・主任研究員, 主任研究員 (30366546)
|
Keywords | デザイン心理学 / 実験心理学 / 認知心理学 / 技術心理学 |
Research Abstract |
現在、食品のトレーサビリティ表示や薬品のコンビニ等での販売開始に伴い、消費者自身が開示情報に基づく商品選択を行なうようになってきている。しかし、食品や薬品に関する科学的情報を読み取る訓練を受けていない一般消費者は、正しい知識をもたないまま"専門的情報理解と適切な判断を行う責任"のみが課せられているともいえる。従って本課題では、心理学を利用した情報のバリアフリー化技術の基礎的知見を集積するべく、デザイン心理学に基づくパッケージデザインの検討や、多感覚知覚の知見を活用した印象伝達促進に関する実験心理学的エヴィデンスを提示した。 「医の安全・安心」に関しては、OTC医薬品外箱記載情報に対する注目度の評価を行い、消費者の年代差、性差、そして日米の文化差などを検証した。結果、若者は高齢者より、また日本人はアメリカ人よりも、リスク(副作用情報)にあまり着目していない事がわかった。このエヴィデンスを日本消費者行動研究学会や日本心理学会で発表し、研究結果の一部は学術論文に投稿中である。今後処方箋なしで購入できる医薬品の数が増えると予想される中、消費者のOTC医薬品外箱記載情報に対する注目度の評価は意義深いものであると言える。 「食の安全・安心」に関しては"遺伝子組み換え食品に対するステレオタイプと購買意志との関係"の研究において、遺伝子組み換え食品に関するリスクコミニュケーションは、安全性や機能的利便だけでなく本人の倫理観や所有者ステレオタイプによって影響があるというエヴィデンスを示し、日本社会心理学会で発表した。また幼少期の食生活が後年食の好みに及ぼす影響や食品に表示される二酸化炭素排出量と消費者行動の関連性の研究など海外の学術雑誌に掲載された。更に研究成果の社会還元のため、一般向けシンポジウムで複数講演を行った(「現代の食を考える」東海村主催の「食とこころのメカニズム」に関する講演など)
|
Research Products
(11 results)