2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300074
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中森 義輝 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (30148598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUYNH NamVan 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 准教授 (00362020)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 意思決定分析 / 感性情報 / 文脈情報 / 情報統合化 / 推薦システム |
Research Abstract |
本研究の当初計画であった多様な情報の統合化手法の応用と検証、統合化オペレータの振る舞いの分析、そして文脈情報を考慮した意思決定分析の理論化に関しては、これまでに実用レベルに達したと判断し、本年度は、感性的な要求を含んだ複数の要求に対応する商品の推薦システムの開発に着手した。そのためにまず、ある商店の特定のデータに基づいたモデリングと推薦システムのプロトタイプを開発した。また、モデルや手法の評価も主観的にならざるを得ないことから評価手法についても検討した。評価結果を受けて、本研究で提案するモデリングと情報統合化手法を確定し、評価実験データに基づいた推薦システムを開発した。その後、ある商店の多くの商品データを搭載したシステムとして発展させてユーザの反応を確かめつつシステムの改良を継続している。 本年度は、推薦システムの開発と並行していくつかの新しい課題についても検討を加えた。それらは「デザイン要素自体の評価と、デザイン要素を製品に埋め込んだ際の評価の違いに関する検討」、「デザイン要素の組み合わせと、商品全体の感性評価との関係の検討」などである。これらの検討は推薦システムによる推薦結果のデータが集積された場合、それをデザイン支援に利用するためのものである。すなわち、システムによる推薦と消費者の反応という情報のフィードックにより、新たなデザインを検討するというシステムの拡張利用法を検討した。 ところで、数学モデルに基づく商品推薦においては、専門家が行うような柔軟な推薦を完璧に行うことは困難である。従って、客観的・理性的なアプローチを補完するように、主観的・感性的なアプローチを用いて、推薦システム利用の有効性を高めなければならない。そのために最終年度では、ナレッジマネジメントを考慮した「目標志向の感性的意思決定分析の方法論」を確立する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、感性的希望を含む様々な希望を統合して商品を推薦する手法の開発がメインテーマであるが、この理論的な部分は最初の2年間でほぼ完成できた。3年目はシミュレーションを繰り返して有効性を検証して、当初の計画であった推薦システムを開発した。最終年度においては、推薦システムの有効性を実証するとともに、最終目標の「目標志向の感性的意思決定分析の方法論」の確立を目指して研究を推進する。
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Strategy for Future Research Activity |
ファジィモデルや柔軟な情報統合化法を用いたとしても、数学モデルに基づく商品推薦においては、専門家が行うような柔軟な推薦を完璧に行うことは困難である。従って、客観的・理性的なアプローチを補完するように、主観的・感性的なアプローチを用いて、推薦システム利用の有効性を高めなければならない。そのために最終年度では、研究代表者が研究を推進してきた「知識構成システム論」の考え方を取り入れた「目標志向の感性的意思決定分析の方法論」を確立する。
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