2011 Fiscal Year Annual Research Report
選択的不感化ニューラルネットによる関数近似とその応用
Project/Area Number |
22300079
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 昌彦 筑波大学, システム情報系, 教授 (00222349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文英 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50512787)
|
Keywords | 選択的不感化ニューラルネット / 機械学習 / 関数近似 / パターン認識 / 筋電位 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発した選択的不感化ニューラルネット(SDNN)は,従来型ニューラルネットの大きな問題点を克服するだけでなく,冗長次元に対してロバストである,高い汎化能力と近似精度とを併せもつ,など既存の関数近似手法にはない非常に優れた性質を備える,本研究の目的は,SDNNの更なる性能向上を図りつつ,その特性を生かした工学的応用を展開することである.特に,実空間において自律的に学習するロボット,筋電信号を用いた力の加減が可能な義手や新たなインタフェースの開発など,人間の支援や能力増幅を目的とした応用研究を推進する.本年度の主な研究成果は以下の通りである. 1.SDNNの関数近似能力の解析:SDNNの高い関数近似能力の解析をさらに進めた結果,選択的不感化によって一般化XOR課題を解けることが重要な意味を持つことがわかった.この結果は,SDNNが複雑な決定境界をもつパターン分類問題にも有効であることを示している. 2.強化学習の価値関数近似への応用:これまでの強化学習の手法は,状態だけでなく行動次元も連続な場合には適用が困難であった.行動価値を表すSDNNの出力層の表現を工夫することによって,計算量の爆発的な増加といった従来の問題点を解決できることがわかった. 3.表面筋電位信号からの動作意図推定:多層パーセプトロン(MLP)やサポートベクターマシン(SVM)といった従来手法との比較実験を通して,SDNNがどのような場合に特に有効かを検討した.その結果,識別すべき動作数が増え,かつ同じ動作でも筋電位信号の変動が大きい場合に,動作の誤検出が少ないという特徴が明らかになった. 4.ロボティックスへの応用:ロボットを用いた子どもの教育支援への応用に向けて,実験環境の整備や通信インタフェースの準備作業などを行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的な研究は8割方終わり,その部分については論文発表した.応用研究も順調に進んでおり,一昨年度国際出願した特許は,国際調査機関によりすべての請求項目について特許性が認められ,またJSTの指定国移行審査でも有用性が認められている.
|
Strategy for Future Research Activity |
基礎研究の成果を基に,さらにSDNNの性能を高めるための手法の開発を進める.また,応用に関しては,開発手法の有効性を実証すると共に,実際の状況を想定した実験を行うなど,実用性め検証を進める.
|
Research Products
(7 results)