2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家富 洋 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20168090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 秀明 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40202501)
藤原 義久 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (50358892)
相馬 亘 日本大学, 理工学部, 准教授 (50395117)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ネットワーク / 複雑系 / 経済物理 / 可視化 / コミュニティ / 有向リンク / 多重グラフ / 相関行列 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、我が国の上場企業の金融機関別借入金データを基に構築した信用ネットワークについて、コミュニティを抽出し、その構造の変遷を追跡した。そのようなコミュニティはリスクが高まりやすい銀行・企業集団とみなすことができる。今年度は、企業と金融機関との依存性が一般に非対称である点を考慮し、信用関係を双方向ネットワークとして捉えた。都市銀行に着目すると、銀行側からみた信用ネットワークでは都市銀行は過去30年にわたって1つの大きなコミュニティを形成しているのに対し、企業側からみた信用ネットワークでは都市銀行が個々に独自のコミュニティを率いていることを示した。また、金融ビッグバンの前後での都市銀行の振る舞いを信用ネットワークの視点から明らかにした。合わせて「DebtRank」の概念を拡張することにより、信用関係に対して各銀行がもたらすリスクを評価する新しい指標を考案し、具体的に前述の信用ネットワーク上でのリスクを評価した。 すでに東京市場において発見した株価相関ネットワークにおけるフラストレーション構造(互いに反相関関係にある3極の銘柄グループ)が米国市場にも内在することを確認し、そのような構造が成熟した市場において普遍的なものであるとの示唆を得た。さらにヒルベルト変換を利用することによって時系列の位相情報を取り出し、フラストレーション構造の起源を動的相関の観点から明らかにするための予備的研究を行った。 加えて、東日本大震災が与えた生産ネットワークに対するショックの緩和過程の解析とモデル構築、特許の共同出願関係を利用したイノベーションの創発に関するネットワーク的解析、景気循環を相互作用する振動子のネットワーク・モデルで理解する試みなどについても研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(45 results)