2011 Fiscal Year Annual Research Report
人と共感できる社会脳ロボットを目指して-情動機能を考慮した脳型システムの応用
Project/Area Number |
22300081
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
我妻 広明 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 准教授 (60392180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森江 隆 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (20294530)
粟生 修司 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (40150908)
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Keywords | 知能ロボティクス / 脳型デバイス / 振動引込み / 認知神経科学 / 社会的知性 / リアルタイム処理 / 生存脳-情動脳-社会脳ネットワーク / 非定常環境 |
Research Abstract |
本研究では,脳科学研究に基づく生理実験・デバイス技術・統合ロボット実装実験技術を用いて,従来工学技術の延長では限界があるとされる非定常な環境での人と協力して活動するロボット研究開発(脳型ロボット開発)を行うことを目的とする.研究課題遂行二年目として,昨年度構築した小型ヒト型ロボット実験系を,画像処理,行動制御機能を組み込み,脳数理モデルのオンライン実時間シミュレーターと連動した統合環境として完成させている.固定物体追従から動き検出を含めたモデル化を進め,状況に合わせて適応的に行動変化する基礎を構築した.分担者個別の研究成果としては,分担者(森江)は脳型視覚デバイスについて,領域ベースのMRFモデルや,動き検出のMotion Detection ModelをFPGAデバイス実装など進めており,分担者(粟生)は「他者と共感する」機能の工学化に向けて行動決定が他個体の存在にどのような影響を受けるかの情動反応の生理基礎実験をラットを用いて進展を得ている.代表者との連携としては,生存脳-情動脳-社会脳ネットワーク構想を三階層の振動子ネットワーク理論モデル化する基本原理を実装しつつあり,最終年度にむけて,人-ロボット間の協調実験を行う準備が整いつつある.人-ロボット親和性についての振動子ダイナミクスを用いた原理としては,ファン・デル・ポール振動子を用いた車両軌道制御の提案で成果を得ており,振動子ネットワーク理論モデルに活用が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳型視覚LSIとヒト型ロボットの統合化については,当初の計画よりもやや遅れている.デバイス開発自体は,領域ベースのMRFモデルや,動き検出のMotion Detection ModelをFPGAデバイス実装など予定より進んでおり,また,人型ロボット技術は初年度のカメラ実装完了後に外部PCからの制御によって,固定物追跡課題から動きのある物体追跡課題に適応できるよう理論拡張が進んでいるが,現状では脳数理モデルのシミュレーションに用いているPCが十分な処理速度を持っているため,ハードウェアによる統合化よりも,課題達成や外界変化の可変性に力を入れている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の大きな目的は「他者と共感する」機能の工学化であり,脳の情報処理特性から抽出することを目指している.分担者は,同機能を行動決定が他個体の存在にどのような影響を受けるかの情動反応や神経伝達・修飾物質の作用を含め,広範に基盤研究を進めている.そのために低重力下におけるラットの不安増減や行動変化,複数個体での挙動についても実験を進め,当初計画における『生存脳-情動脳-社会脳ネットワーク』仮説を基礎として情動機能を中心とする社会性獲得過程の検証を,今後更に極限環境での実験成果と合わせて評価し検討を進める.また,代表者は同ネットワーク仮説をヒト型ロボットにおいて実装するために,振動子ネットワーク並列分散計算・制御で効率化を図るとともに,ロボット間相互作用課題を設定し実証実験するために,人の身体制御における認知-運動連動課題について脳神経系の基礎・応用研究を並行に進めながら研究発展させる.
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Research Products
(53 results)
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[Presentation] 社会性の生存戦略2011
Author(s)
粟生修司,成清公弥,金丸愛,河村尚葵,増田明
Organizer
第62回西日本生理学会
Place of Presentation
佐賀大学医学部(佐賀市)
Year and Date
2011-11-14
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[Presentation] 低重力環境とげっ歯類の神経科学2011
Author(s)
粂井麈宏, 井上カタクーゼレジョージ, 長谷川克也, 満澤宰男, 成清公弥, 増田明, 粟生修司
Organizer
第34回日本神経科学会大会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県)
Year and Date
2011-09-15
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