2012 Fiscal Year Annual Research Report
前頭葉からのトップダウン・コントロールに関わる脳内ネットワーク機能の解明
Project/Area Number |
22300093
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
熊田 孝恒 独立行政法人理化学研究所, 認知行動科学連携ユニット, 連携ユニットリーダー (70221942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 隆志 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40301543)
岩木 直 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (70356525)
田村 学 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80453174)
川俣 貴一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90204768)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 前頭葉 / 注意 / 脳損傷 |
Research Abstract |
本年度は、前頭葉と後頭葉・頭頂葉の間の情報のやり取りが想定される課題として、課題の困難さを考慮にいれて、自らの注意制御を最適に調節する過程に関わる認知課題を作成した。この課題では、仮想的な報酬を与え、易しいが報酬が低い課題と、困難だか報酬が高い課題の2種類を設定し、困難な課題の報酬を変化させ、どの程度の報酬の場合に、困難な課題を選ぶ傾向があるかを調べた。その結果、前頭葉を損傷した一部の患者では、報酬が高い課題を一貫して選び続けるという傾向が見られた。つまり、ハイリターンの課題を選択的に選び続けた。このようはハイリターン選択傾向は、健常者では見られなかった。このような選択傾向は、右の前頭葉の損傷患者で見られたが、統計的に有意な結果を得るにはいたらなかった。また、損傷連絡線維との関係についても、統計的に有意な結果を得るには十分な症例数には達しなかった。 昨年度から研究を進めている注意のトップダウンコントロールに関して、本年度は、ジョイスティックを利用したアクションのコントロールを必要とする課題に拡張を行った。これは、従来の半側空間無視の傾向を調べる課題では十分に検出ができない微細な症状を明らかにすることに、アクションのコントロールを介するのが有効であるという着想に基づくものである。後頭葉を損傷した患者で、本人の自覚症状では左半側を見落とす傾向がある患者で、かつ、既存の半側空間無視検査では異常が見つからない患者について、当該課題を実施したところ、顕著な半側空間無視傾向が認められた。より鋭敏に注意の障害を調べる方法として、当該課題の有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知課題の開発と患者データの収集には予定通りすすんでいるが、代表者が所属を変更したため、新たな所属での倫理委員会での承認等の手続きに時間がかかったため、患者の脳画像との対応を調べる部分の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度にあたり、これまで蓄積してきたデータの分析に集中することで、当初の目標を達成することをめざす。
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Research Products
(3 results)