2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 正弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90195339)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 立体構造予測 / α-ヘリックス / 水和 / エントロピー / 自由エネルギー関数 / 膜蛋白質 / ケミカルシフト |
Research Abstract |
(1)水及び疎水環境中における蛋白質立体構造安定性の違いを明らかにすると共に,膜蛋白質(典型的な疎水環境中の蛋白質)立体構造予測用の自由エネルギー関数を開発した。膜タンパク質はα-ヘリックスを基本構造として形成することが多いが,α-ヘリックス同士の会合は脂質2重層膜の疎水鎖を構成する炭化水素基(CH2, CH3, CH)の並進移動に起因するエントロピー利得により駆動されることが示された。 (2)蛋白質の立体構造は,X線結晶解析やNMR実験を通して決定される。得られた天然構造モデルは,実験条件や構造計算の方法の影響を大きく受ける。水環境中に対して我々が開発した自由エネルギー関数Fとそのエンタルピー及びエントロピー成分を用いて,蛋白質天然構造モデルのキャラクタリゼーションを行う方法を提案した。Fは天然構造の特徴をよく捉えているため,各々の天然構造モデルの特徴や弱点を明らかにすることができる。提案された方法を用いることにより,より良い天然構造モデルを作成するための有用な指針が得られる。 (3)出来る限り少ないNMR実験情報(願わくばケミカルシフトのみ)から優れた天然構造モデルを作成できる方法の開発について検討を行った。ユビキチンに対して,二面角が63個,NOEが1291個(遠距離:447個,近距離:844個)なる実験情報を採用し,遠距離のNOEを5%程度まで減らしても,依然として良好なモデルが得られることを確認した。ただし,遠距離のNOEとは、アミノ酸配列において5残基以上離れた原子同士に対するNOEを指す。天然構造の立体構造予測は実験情報がゼロとなった場合に対応するため,まだ道は長いが,少なくとも天然構造の特徴を的確に捉えた自由エネルギー関数(計算時間が1つの立体構造あたり1秒に達しないことも大きな利点)が得られたことは大きな進展である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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