2012 Fiscal Year Annual Research Report
ChIP-on-chip法による再生初期遺伝子群の同定とラット視神経再生への応用
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22300109
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 聖 金沢大学, 医学系, 教授 (10019614)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | NO / HDAC-2 / S-ニトロシル化 / RARβ / 軸索再伸長 |
Research Abstract |
魚の視神経は哺乳類と異なり、損傷を受けても再生できる。そこで、この魚の視神経再生初期に働く遺伝子・分子が同定できれば、将来、再生できないヒトを含めた哺乳類での再生への応用も可能と考え本研究課題に着手した。 前年度までにHSP70の上昇やヒストンのアセチル化(AcH)の促進を見つけ、再生関連分子の誘導や、生存シグナルの増強について、明らかにしてきた。本年度は、実際に軸索再生を起こす分子について検索し、レチノイン酸シグナルの活性化に伴う神経突起の伸展について、研究を行った。レチノイン酸は、神経発生や再生に必要な各種遺伝子をプロモートすることが予想される。そこでNO誘導剤であるゲニピンで処理したところ、ヒストン脱アセチル化酵素‐2(HDAC-2)のS‐ニトロシル化が起こり、クロマチンのリモデリングを起こし、その結果、レチノイン酸レセプターRARβが有意に、成熟ラット網膜神経節細胞で誘導された。このRARβの誘導により、著しい神経突起の伸展をin vitro, in vivo両系で観察できた。 更に、S‐ニトロシル化阻害剤,NOトラップ剤,RARβインヒビター,或いはRARβ特異的siRNAにより、この神経突起の伸長は完全に抑制された。また、ラット幼若網膜を使った培養でも、RARβの発現と神経突起の伸長との間で強い相関があることが分かった。以上の結果から、成熟ラット網膜には通常RARβの発現は見られないが、ゲニピン等により、HDAC-2を抑制し、ヒストンのアセチル化をRGCsで誘導できれば、再び発生時の様にRARβが出現し、視神経の再生も可能になると強く示唆された。上記の観察は、ゲニピン以外にも、一般的なHDACインヒビターとして知られているトリコスタチンAやバルプロ酸によっても見られ、我々の仮説が普遍化されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)