2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300110
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大澤 五住 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (20324824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 耕太 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40467501)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 脳梁 / 一次視覚野 / 受容野 / 視交差 |
Research Abstract |
高度な両眼立体視能力を持つ動物の網膜から中枢への投射は、網膜の中心窩を通る垂直線で分断されているが、脳梁の機能により、分断された情報は非常に精巧に継ぎ合わさるとされている。平成24年度には、視交差切断手術を施した動物において、一次視覚野の単一細胞に投射する脳梁を介した視覚入力と脳梁を介さない入力の受容野特性や反応のダイナミクスを詳細に調べた。視覚刺激に対する脳梁を介した反応の潜時が同側由来の反応に比べて20-25ms程度も長い事がわかった。方位と空間周波数については、同側・対側とも同様のチューニング特性を持っていた。また、両眼視差選択性については、ほとんど持たないものがほとんどであった。微小電極を両半球の初期視覚野の中でも特に視野の継ぎ目を受け持つ部位に挿入し、複数の神経細胞の活動を同時記録した。この手法により、視野内の同一の場所を受け持つ細胞同士の反応特性の関係が、異なる場所を受け持つ細胞同士の反応特性の関係とどのように異なるかを調べた。また、脳梁結合を伝わる神経信号がどのような情報を担っているかを調べるために、視交差を切断したネコの初期視覚野において、両眼性細胞の特性を調べた。これらの成果を論文にまとめ、投稿中である。 さらに、人における心理物理学実験によって、脳梁を介した視覚情報処理にかかる追加の処理時間の知覚的効果を調べる実験を行った。視覚刺激が脳の片半球のみで処理される場合と、両半球にまたがって処理される条件とについてフラッシュラグ効果の大きさを比較することで、視覚情報が脳梁を介して処理される時間を計測した。その結果、両半球で処理される条件が片半球の条件に対して、フラッシュラグ効果が有意に小さい傾向が見られた。これらの結果から、左右半球間の情報統合には約45msの追加時間遅れが生じている事が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|