2010 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス可塑性の分子機構の解明とその疾患における意義
Project/Area Number |
22300122
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高宮 考悟 宮崎大学, 医学部, 教授 (40283767)
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Keywords | シナプス可塑性 / グルタミン酸受容体 / 学習・記憶 |
Research Abstract |
記憶・学習の基盤となる神経機能であるシナプス可塑性は、現在その関与が記憶・学習のみならずさまざまな疾患との関与が考えられている。現在までにこのシナプス可塑性の分子機能は、遺伝子レベルで急速にその詳細が明らかとされていきた。その中でも特に、シナプス可塑性の発現を直接制御するAMPA型グルタミン酸受容体の役割が多数報告されている。しかし尚、その完全な理解には多くの不明な点も多く、さらに脳のさまざまな部位におけるシナプス可塑性が異なった分子機構で制御されている事実が報告され、その分子機構を早急に明らかにすることが望まれている。特に代表的なシナプス可塑性として知られ、かなり研究が進んでいる海馬CA1領域と小脳プルキンエ細胞におけるシナプス可塑性のメカニズムを明らかとすることは、その他のシナプス可塑性の分子メカニズムを理解する上で、モデルとなるものであり、その完全な分子機構の解明にもっとも近いと考えられる。現在、シナプス可塑性の発現メカニズムとして、神経活動依存的なAMPA型グルタミン酸受容体のシナプスへのトラフィッキングが注目されている。そこで今回我々は、このAMPA型グルタミン酸受容体のトラフィッキングにおいて重要な役割を担っていると考えられている受容体の細胞内ドメインに結合するタンパク質の解析をし、その分子機構を明らかにすることにより記憶・学習のメカニズムを理解すると共に、その疾患への関与に関して研究を行っている。AMPA型グルタミン酸受容体の結合タンパク質としては、GRIP1やPICK1といったタンパク質の海馬CA1領域や小脳プルキンエ細胞における受容体のシナプスへの局在に対する役割を検討し、その疾患への関与は、痛みのメカニズムやうつ病等への関与を検討している。
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Research Products
(7 results)