2012 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス可塑性の分子機構の解明とその疾患における意義
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22300122
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高宮 考悟 宮崎大学, 医学部, 教授 (40283767)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / 学習・記憶 |
Research Abstract |
本研究の長期的な目標は、学習や記憶の基本となる神経機能と考えられているシナプス可塑性における分子メカニズムを解明することである。特に本研究申請ではその一部として、海馬CA1領域における代表的なシナプス可塑性であるシナプス長期増強現象(Long Term Potentiation: LTP) の発現・制御機構を分子レべルで明らかとすることを研究目的とする。研究対象として、AMPA型グルタミン酸受容体の細胞内における詳細な制御機構に焦点を絞ってそのシナプス可塑性における機能を検討した。 本研究においてこれまで、シナプス可塑性の発現に主たる役割を果たすAMPA型グルタミン酸受容体のGluA1サブユニットのリン酸化の有無が神経の興奮性を制御しシナプス可塑性を調節していることを示した。さらにAMPA型グルタミン酸受容体のC末端に結合するタンパク質としてGRIPが知られており、その機能としてGRIP1は、エクソシスト複合体と共に、AMPA受容体の神経活動依存的な細胞内から細胞表面への輸送に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、LTP発現が欠損したGluA1のノックアウトマウスを用いることにより、そのマウスより分離した初代神経細胞を用いて、AMPA受容体の局在を調べるとともに、欠損しているGluA1遺伝子を導入することにより機能レスキューを行った。その際、ノックアウトマウスの海馬に正確にウイルスを用いて遺伝子導入するために、海馬シータ波をモニターしながらウイルスベクターを海馬CA1錐体細胞層に注入する方法を確立した。さらにAMPA型グルタミン酸受容体が、学習・記憶のみでなく痛み発症にも重要な役割を果たしていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)