2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22300124
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虫明 元 東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80219849)
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Keywords | 運動野 / 前頭前野 / 両手動作 / 細胞活動 |
Research Abstract |
順序動作が必要となる認知的行動制御課題を用いて、動作のカテゴリーや認知に必要なカテゴリー表現が、関連領域でどのように表現され、統合されるかを解明する。実験には、開発中のマルチ電極記録システムをもちいて、大脳皮質内と神経回路の動態を明らかにすることで、関心領域である前頭連合野関連領域内とその周辺の関連領域間での細胞の相互関係を解明する。そのために、ニホンザルに両手による両手順序操作課題を訓練して、多数の順序動作を記憶も基づいて、またはゴール試行的な将来の企画により行うように学習させる。課題遂行中の大脳皮質より細胞活動を記録して解析を行った。 動物に両手の順序動作による認知操作課題を訓練して、細胞活動を記録した。補足運動野、前補足運動野に加えて前頭前野と運動前野、一次運動野から、多点記録、LFPの記録を用いる事にして、特に前頭前野と高次運動野に関して解析を行った。LFPでは顕著なベータ波が記録された。このベータ波は課題の進行により変化し、特に順序課題の最初の試行では弱いが、記憶に基づいたときにはその成分のパワーが大きく安定していた。細胞活動に関しては、両手の動作にかかわる細胞は、多くは両手の体の軸対象で同じ動作、すなわち左手回内には、右手の回内にかかわるなどの対称性的な座標で表現される細胞が多く見られた。一次運動野がすぐ実行される要素運動に関わるのに対して、運動前野は、先の運動に関わったり運動のより認知的な側面での活動が顕著であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多点細胞活動は極めて高い技術が必要だが、順調に記録を行うことができるようになってきた。補足運動野、前補足運動野に加えて前頭前野と運動前野、一次運動野から、多点記録、LFPの記録を用いる事にして、特に前頭前野と高次運動野に関して解析を行っている。細胞活動は多彩であり、操作、動作などの区別とその時間変化が今後の解析の重要点となる。
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Strategy for Future Research Activity |
多点計測のデータ解析に関しては、単純な活動評価だけでは不十分だと思われたので、今後は情報を表現する統計量を情報表現のモデルを立てて、その適合度から判定するなどの方法で、より詳細な情報表現の解析を行う。
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Research Products
(7 results)