2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300124
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虫明 元 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80219849)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高次運動野 / 両手動作 / 細胞活動 |
Research Abstract |
研究目標は順序動作が必要となる認知的行動制御課題を用いて、動作のカテゴリーや認知に必要なカテゴリー表現が、関連領域でどのように表現され、統合されるかを解明することである。実験には、開発中のマルチ電極記録システムをもちいて、大脳皮質内と神経回路の動態を明らかにする。ニホンザルに両手順序操作課題を訓練して、多数の順序動作を記憶も基づいて行う課題、およびゴール試行的な将来の企画により行うように学習させた。ゴールとしては数を用いて動物に数の操作を両手の順序動作で行う課題を訓練し行動解析を行った。認知操作課題を訓練して、細胞活動を記録した。補足運動野、前補足運動野に加えて前頭前野と運動前野、一次運動野から、多点記録、LFPの記録を用いる事にして、特に前頭前野と高次運動野に関して解析を行った。Pre-SMA前方には新たな特性を示す領野があり、両手課題に関しても関連細胞が記録された。この新たな領域は行動を選択するより高次の情報を表現していた。行動選択に対して行動選択の基準すなわち行動戦略を考えられた。また前頭葉内側後部の領域すなわちpre-SMA SMAでは細胞活動に関しては、両手の動作にかかわる細胞は、多くは両手の体の軸対象で同じ動作、すなわち左手回内には、右手の回内にかかわるなどの対称性的な座標で表現される細胞が多く見られた。一次運動野がすぐ実行される要素運動に関わるのに対して、運動前野は、先の運動に関わったり運動のより認知的な側面での活動が顕著であった。数の操作に関しての課題は2頭訓練が終わり、一頭で運動前野から記録して、操作カテゴリ、数カテゴリーと手の運動種の複数の局面に対応する細胞が見出されてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多点細胞活動は極めて高い技術が必要で、安定した記録を確保するには苦労があり、だいぶ効率的に行えるようになっており順調である。成果発表にするためには記録細胞数の点ではもっと必要である。補足運動野、前補足運動野に加えて前頭前野と運動前野、一次運動野に加えて、頭頂連合野にも多数関連細胞があることが判明して、記録部位が増えてきたことは良いが追加のデータと領域間の差異を含めての解析が今後重要な課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
前頭連合野と頭頂連合野の多点計測のデータ解析ができるようになってきた。 その領域の差異をどのように評価するかは、単純な活動評価だけでは不十分だと思われたので、今後は情報を表現する統計量を情報表現のモデルを立てて、その適合度から判定するなどの方法で、より詳細な情報表現の解析を行う。
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Research Products
(5 results)