2011 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス前細胞の生後発達がシナプス結合の再編成に与える影響
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22300125
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00303272)
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Keywords | 神経回路 / 生後発達 |
Research Abstract |
小脳登上線維-プルキンエ細胞シナプスでは、生後発達期において、複数の登上線維が個々のプルキンエ細胞を支配する多重支配から、1本の登上線維のみが支配する単一支配へ移行する。この過程は神経活動依存的であり、登上線維の活動を生み出す源である、下オリーブ核の生後発達が重要な関与をしていると考えられるが、その詳細はほとんど明らかになっていない。本研究では、下オリーブ核神経回路の生後変化と、これによる小脳への投射線維の活動パターンの生後変化を解析する。 本年度は、発達期登上線維の神経活動に伴う形態変化を可視化するため、幼若動物の下オリーブ核に順行性トレーサーを注入して登上線維を染色する実験系の確立を行った。昨年度は、急性スライス内で登上線維を染色する方法を試みたが、登上線維以外の苔状線維なども染色されるため、解析する上でさらに効率よく登上線維を選択的に染色する方法が必要となった。幼若動物に効率よく注入を行うため、脳定位固定装置などの改良を行った。 また、幼若動物の登上線維の活動パターンの実態に迫るため、幼若下オリーブ核細胞から電気記録を行う実験系の確立にも着手した。下オリーブ核の電気記録と、上記注入実験は方法論的に似通っているところがあるため、お互いの成果をフィードバックしながら今後進めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度7月より研究室を独立したため、引っ越し・実験室の整備・学内業務・研究員の雇用などの研究環境の整備に時間を取られ、十分な研究時間を取ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同様に、神経活動依存的な登上線維の形態変化を解析する。また、幼若動物の下オリーブ核神経細胞から電気記録を行う実験系の確立をさらに推し進める。
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Research Products
(10 results)