2011 Fiscal Year Annual Research Report
顕微内視鏡を使った小脳顆粒細胞層のIn VIVOでの情報処理の解明
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22300136
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
船曳 和雄 (財)大阪バイオサイエンス研究所, システムズ生物学部門, 研究副部長 (00301234)
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Keywords | in vivo imaging / 小脳顆粒細胞 / 神経計算機構 / Caイメージング |
Research Abstract |
小脳顆粒細胞の機能をin vivoで明らかにするために、理化学研究所Thomas Knopfel博士より、小脳顆粒細胞特異的にGCaMP2というCaセンサー蛋白を発現させた遺伝子操作マウスの供与を受けた。このマウスはalbinoマウスであったので、C57B6マウスと交配させ、pigmentedのhomoマウスを作成した。このマウスを用いて、反射性眼球運動の一種である前庭眼反射(VOR)、視運動性眼球運動(OKR)の測定と同時に顕微内視鏡を用いた顆粒細胞の活動の観察を開始した。並行して、所属研究室で行われている顆粒細胞からの可逆的シナプス伝達阻害マウスでの眼球運動解析で、顆粒細胞-ブルキンエ細胞のシナプス伝達阻害により高速度OKRの反応とOKRの適応性変化に影響がみられた。このため顕微内視鏡での顆粒細胞の反応もこれら眼球運動にfocusして観察しているところである。記録部位は水平方向の反射性眼球運動に関与する小脳片葉H-zoneで、この記録同定は現在光学記録に用いている顕微内視鏡先端部からの通電刺激に対して、同側の眼球がnaso-temporal「鼻から耳の方向」へ動くことで行っている。現時点でわかっていることは、一定速度OKR刺激に対して、顆粒細胞の軸索でCa signalのゆっくりとした上昇が観察される例が散見され始めたということである。この軸索でのCa signalのゆっくりとした上昇は、内視鏡先端からのtrain pulse電気刺激によっても引き起こすことができた。今後、軸索でのCa蓄積に関して、データの蓄積を行なって行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoで、顆粒細胞特異的にCa信号が観察できるマウスを使って、生理刺激・電気刺激に対する反応が観察されてきているので、新規性の高いデータが出つつあるから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、OKRの適応性変化時におこる顆粒細胞での反応変化を観察することで、小脳皮質での学習・記憶の神経機構を明らかにしていきたい。現在問題となっているのは、観察している行動に関与している神経回路をちゃんと観察できているかというところであるが、これに関しては、マウスの数が十分に確保されているので、実験の回数を増やすことで、対応していきたい。
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Research Products
(2 results)