2013 Fiscal Year Annual Research Report
顕微内視鏡を使った小脳顆粒細胞層のIn VIVOでの情報処理の解明
Project/Area Number |
22300136
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Research Institution | 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所 |
Principal Investigator |
船曳 和雄 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所, システムズ生物学部門, 研究副部長 (00301234)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 小脳 / 運動学習 / in vivo imaging / 顆粒細胞 |
Research Abstract |
頭部固定した覚醒マウスからの前庭刺激・視刺激に伴う眼球運動を記録すると同時に眼球運動を制御している小脳片葉からのCaイメージングを独自に開発した顕微内視鏡システムで行った。使用したマウスは小脳顆粒細胞特異的にGCaMP2を発現させた遺伝子操作マウス(Thomas Knopfel博士より供与)を用いた。視運動性刺激に対して、小脳顆粒細胞軸索でCa応答が観察された。また、小脳顆粒細胞からのシナプス伝達を遮断できるマウス(Yamamoto et al, 2003, J.Neurosci)を用いて視運動性眼振の適応性変化に対する小脳顆粒細胞の役割を検討した。結果、小脳顆粒細胞からのシナプス伝達を遮断した状態では視運動性眼振の適応性変化は起こらなかった。しかし、5日間にわたり視運動性刺激トレーニングを繰り返した後に顆粒細胞からのシナプス伝達を回復させると、視運動性眼振の適応性変化が引き起こされ、5日間のトレーニングで形成された学習記憶が表出にいたったものと考えられた。さらに一旦表出まで至った学習記憶は、その後再び小脳顆粒細胞からのシナプス伝達を遮断しても影響を受けなかった。また、5日間の視運動性トレーニングのあと小脳片葉を電気刺激すると、トレーニング前に比べて大きく眼球が動くことより何らかの可塑的変化が脳幹部前庭神経核で生じていることが示唆された。以上より、小脳依存的な運動学習では、小脳顆粒細胞からのシナプス伝達は、学習の獲得には必須ではなく、表出に必須であること。また、小脳皮質以外に脳幹部でも何らかの可塑的変化が生じ、視運動性眼球運動の適応性変化では少なくとも、一旦表出にまで至ると顆粒細胞からのシナプス伝達はもはや必要なくなることなどが明らかになった(Wada et al, 2014, 111, p5357, Proc Natl Acad Sci USA)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)