2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復欠損マウスを用いた継世代変異を誘発する分子機構の解析
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22300144
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大野 みずき 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70380524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 可道 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00207820)
續 輝久 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40155429)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生殖細胞ゲノム変異 |
Research Abstract |
本課題は生殖細胞ゲノム変異の発生様態に対する酸化的DNA損傷とその修復機構の影響をDNA 修復欠損マウスを用いて解析を行うことを目的としている。細胞は酸化損傷DNA を効率的に除去、修復することによってゲノムを安定に保っている。グアニンの酸化体である8-オキソグアニン(8-oxoG)はG>T塩基置換を引き起こすことが明らかになっているが、哺乳類の生殖細胞ゲノム変異への影響は不明であった。そこで8-oxoGの修復に関与する3つの遺伝子を欠損させたOgg1/Mth1/MutyhトリプルKOマウス家系を作製し遺伝学的、分子生物学的解析を行った。この家系では水頭症、二分脊椎、小眼球症、腹部の白班など先天性変異表現型を示す個体が高頻度に生まれ、遺伝的解析により水頭症と白班は常染色体優性遺伝形式で遺伝することが明らかになった。さらに当該年度はこの家系内で新たに生じ、子孫に伝えられている生殖細胞突然変異を網羅的に検出する為に、最も進んだ世代のマウスを選び、次世代シーケンサーによる全エクソーム解析を行った。MassArrayによるバリデーションを行い、最終的に3個体から200以上の変異を同定した。これらの変異の90%以上が G>T塩基置換型変異だったことから、Ogg1/Mth1/Mutyhの欠損による特異的影響であると考えられた。さらにシーケンス解析に使用したマウスから親系統を遡って解析したところ、変異が新たに生じた個体を特定することができた。以上の結果は酸化的DNA損傷の蓄積または修復機構の欠損は塩基置換頻度を上昇させ、ゲノム多様性を生み出す原因となっていると考えられた。これらの知見はヒトの先天性疾患や遺伝病の発生機構を解明する重要な手がかりとなる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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