2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞における血流刺激のメカノトランスダクション機構の解明
Project/Area Number |
22300150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 希美子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00323618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 譲二 獨協医科大学, 医学部, その他 (20159528)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 流れ剪断応力 / 細胞膜 / 血管内皮細胞 / カベオラ / イオンチャネル / カルシウム・シグナリング / ATP / プリノセプター |
Research Abstract |
血管内面を一層に覆う内皮細胞は血圧の調節、血液の凝固・線溶、蛋白の選択的透過など、血管機能の制御に中心的な役割を果たしている。近年、血流に起因するshear stressなどの力学的刺激によっても調節を受けることが明らかになってきた。昨年度は我々が独自に開発した細胞外ATPを画像化するシステムを用いて、shear stressにより内因性のATPが細胞膜カベオラから放出され、細胞内にカルシウムシグナリングとして、shear stressの情報を伝達する仕組みを解明した。本年度は、shear stress応答の仕組みの解明をさらに進める為、shear stressに対する細胞膜カベオラの挙動と膜分子の力学応答について検討した。二光子レーザー顕微鏡と環境感受性蛍光色素Laurdanにより、細胞膜脂質の配向状態を画像化し、細胞膜カベオラをリアルタイムでイメージングすることに成功した。FRAP法を同時に併用した解析法により、shear stressを負荷すると、可逆的に細胞膜の相状態が大きく変化し、細胞膜の流動性が顕著に増加することが明らかとなった。さらに、この細胞膜の相状態の変化は人工脂質二分子膜リポソームでも同様に観察された。以上の結果はshear stressに伴う細胞膜脂質の配向状態の変化が細胞特有の代謝活動ではなく、物理現象に基づくことを初めて明らかにした。また、細胞膜流動性の変化がshear stressに伴う内因性ATPの放出反応に大きく影響することを示した。以上の結果はshear stressが誘発する細胞膜脂質の相転移が細胞の応答に寄与することを示唆しており、内皮細胞におけるshear stressの感知機構に、細胞膜脂質が重要な役割を果たすことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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