2010 Fiscal Year Annual Research Report
19F-MRIによるアミロイドイメージング法の開発
Project/Area Number |
22300153
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 弘康 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 特任教授 (90102912)
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Keywords | アルツハイマー病 / MR画像 / 画像診断 / フッ素 / 診断薬 |
Research Abstract |
現在日本には約200万人の認知症患者が存在し、その約半数がアルツハイマー病とされている。しかし、いまだに有効な診断方法がない。現在、脳内アミロイドβペプチドに選択的に結合するポジトロン断層撮影法(PET)による画像診断法の研究が進められている。しかし、PETは放射性核種を用いるため放射線障害による副作用が懸念されるとともに、サイクロトロン施設が必要で試薬が高価になる。そこで、放射性核種を用いないMR画像診断法の開発が望まれている。本研究では、フッ素NMR画像法という最先端の技術を駆使し、アルツハイマー病MR画像診断薬の開発を行った。初年度は、230種類以上の化合物をスクリーニングし、有望な新規化合物34個を見出した。なかでも、Shiga-Y5は先行薬の10倍以上の強いフッ素MR信号を出し、アルツハイマー病の老人斑に結合することが判明した。加えて、アルツハイマー病の原因タンパクの中でも神経毒性の強いベータアミロイドペプチドオリゴマーとも結合するという優れた性質を有することがわかった。この結合のメカニズムは、Shiga-Y5のもつケト・エノール互変異性に由来し、アミロイド凝集体が存在するとケト型からエノール型に変化して、凝集体に結合することを明らかにした。これらの成果は、2編の国際学術誌に論文発表した。さらに成果の一部は、2010年7月に米国ホノルル市で開催された国際アルツハイマー病会議2010で報告した。
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[Journal Article] Relationship between the tautomeric structures of curcumin derivatives and their A β-binding activities in the context of therapies for Alzheimer's disease.2010
Author(s)
Yanagisawa D, Shirai N, Amatsubo T, Taguchi H, Hirao K, Urushitani M, Morikawa S, Inubushi T, Kato M, Kato F, Morino K, Kimura H, Nakano I, Yoshida C, Okada T, Sano M, Wada Y, Wada K N, Yamamoto A, Tooyama I
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Journal Title
Biomaterials
Volume: 31
Pages: 4179-4185
Peer Reviewed
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