2012 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球膜損傷のマルチスケール力学解析と溶血観察実験による溶血シミュレータの構築
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22300155
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中村 匡徳 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20448046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 成生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70240546)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 赤血球 / 溶血 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
赤血球膜破断の分子動力学シミュレーション:赤血球膜破断機序の理解と膜中のコレステロールが破断に与える影響について調べるために、コレステロールを含有した脂質二重膜に対して非定常および準静的な引張シミュレーションを行った。両引張シミュレーションにおいて、純粋な脂質二重膜系より混合二重膜系の方が大きい面積ひずみが生じた状態でも膜構造が維持されることがわかった。また、非定常引張シミュレーションでは20 mol%、準静的引張シミュレーションでは40 mol%で最大の破断面積ひずみを示した。同じ面積ひずみを与えている状態であっても、準静的引張過程を経た状態では、コレステロールの配向が整っていることがわかった。 溶血発生の瞬間を捉える為にルミノール反応を利用した蛍光イメージングを試みた。通常、ルミノール反応は強アルカリ性溶液中でしか発生しないが、これでは赤血球膜が溶解してしまうため、過酸化水素を添加することで、中性溶液中にてもルミノール反応を生じさせることにした。過酸化水素濃度を増加させると、発光量も大きくなり、50-500 mmolで最大となった。また、ルミノール濃度1 mmol以下、過酸化水素濃度1 mmol以下で赤血球の形状変化が5%以内となり、ルミノール濃度0.5 mmol、過酸化水素濃度10 mmolで溶血が1pg以内となった。さらに、過酸化水素濃度1 mmol以下でバブルが発生しないことがわかった。このとこから、溶液を強アルカリとせずに溶血可視化ルミノール反応溶液を作成する条件として、過酸化水素濃度1[mmol],ルミノール濃度0.1[mmol]が適切であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)