Research Abstract |
筋電位信号(EMG)は筋を収縮させるための入力であり,出力である筋の側方変形,すなわち筋音信号(MMG)を同時に計測して,筋の収縮機能を評価することは重要である.本研究ではEMG(入力信号)とMMG(出力信号)を多点同時計測し,これらの解析結果から,筋の二次元的な収縮様相を解明することを目的とする.さらに本法を神経・筋疾患や高齢者のリハビリテーション,スポーツ科学等の分野に適用する. 本研究の目的を達成するために,(1)光反射型MMGセンサを基に,多点計測用変位MMGアレイセンサを開発,(2)アレイセンサを用いて変位MMGの多点計測および解析手法を確立,(3)EMG多点解析結果を参照して,EMGとMMGから見た筋収縮メカニズムを二次元的に考察,(4)本手法を神経・筋疾患に伴う運動神経の消失・再支配などの臨床診断,高齢者や術後患者の廃用性筋萎縮やリハビリテーション効果の評価,スポーツ科学における筋力トレーニング効果の評価に適用する.研究遂行に当たって,研究分担者(吉田正樹:大阪電気通信大学,および市橋則明:京都大学),並びに連携研究者と研究グループを構成して実施した.平成22年度に行った内容は, (1)多点計測用変位MMGアレイセンサの開発:小型のフォトリフレクタを近接して配置し,隣接するフォトリフレクタ同士の干渉の有無,測定精度など,センサの基礎特性を検討した.その結果をもとに,変位MMGアレイセンサ(フォトリフレクタを5mm間隔に,5×5個,計25個並べ,フレキシブル基板に配置)を設計・製作し,多点MMGが計測できることを確認した. (2)変位mmGの多点計測技術および解析手法の確立:研究分担者らが開発した「三次元テンプレート適用運動単位同定法」をもとに,本手法を多点計測された随意収縮剛Gに適用し,剛Gの二次元的な伝搬の様子を可視化するための,二次元解析手法について検討を行った
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