2012 Fiscal Year Annual Research Report
a‐C:Hコーティングによる小型高機能補助人工心臓の開発に関する研究
Project/Area Number |
22300160
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00307670)
大越 康晴 東京電機大学, 理工学部, 助教 (10408643)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 軸流血液ポンプ / 非晶質炭素被膜 / 数値流体解析 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
H24年度は、数値流体解析と遺伝的アルゴリズムによる最適化手法を組み合わせた自動最適化システムにより、血液ポンプの最適化に取り組んだ。また、血液接触面となる羽根車表面については、フッ素ドープ非晶質炭素(a-C:H:F)被膜を施し、表面処理による溶血低減効果について検討した。 羽根車の最適化では、圧揚程が高い羽根形状は、インペラおよびディフューザの流出角が大きく、軸径はディフューザ前方にて最大値をとる傾向が見られた。高圧揚程を実現する羽根形状には、羽根のねじれを抑え、圧力損失を少なくする形状が良いと見込まれた。また、せん断応力が低い羽根形状は、インペラおよびディフューザの流入角が小さく、流路面積が少ない傾向が見られた。羽根のねじれを増加させ、軸径を大きくすることで、せん断応力は小さくすることが出来ると示唆された。今後、羽根車の形状を決定する設計変数に関してより効率的な最適解探索のためには、重回帰分析やt 検定などを用い、設計変数自体を評価する必要がある。また、作製した血液ポンプのモータについては、電源電圧解析において解析値と実測値の整合性を図ることで、コギングトルク、磁気飽和や損失を抑制し、ポンプの駆動条件に合わせたモータサイズの最適化を行った。 羽根車の素材については、SUS304製で加工した羽根車表面を、電解研磨により表面粗さを0.5μm以下に研磨し、その表面をa-C:H:Fで被膜した。a-C:H:F被膜により、血液接触面にC-F結合が形成され、表面エネルギーの減少や、表面が負に帯電することによって血栓形成が抑制され、その結果として、フッ素ドープ非晶質炭素で被膜による溶血低減効果が示された。 羽根形状の最適化、モータの最適化、羽根車表面の最適化により、本研究で開発した血液ポンプは、小型高機能補助人工心臓用血液ポンプとしての指標が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)