2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経前駆細胞の機能制御のためのモジュール化バイオマテリアルの設計
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22300164
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 功一 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (50283875)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | タンパク質工学 / 中枢神経 / 再生医療 / 神経幹細胞 / インテグリン / キメラ蛋白質 / コラーゲン / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、神経幹前駆細胞の高度な機能制御が可能な細胞制御因子組込型バイオマテリアルの創製を目的として、とくに以下の2つの研究を進めた。 (1)パーキンソン病の治療を目的として脳内に移植された神経幹前駆細胞を炎症性細胞から隔離し、また、その細胞に接着シグナルを与えることによって細胞の生存率を高く維持するため、移植細胞をコラーゲンゲル内に分散させ、さらに、ゲル内に組み込んだインテグリン結合性ポリペプチドによって、移植細胞に接着シグナルを与えることを試みた。インテグリン結合性ポリペプチドの設計には、モジュール化制御因子設計法を適用した。すなわち、デコリン由来コラーゲン結合性ペプチドとラミニンα鎖由来G3ドメインを選択し、それらの二成分からなるキメラタンパク質を合成した。また、同G3ドメインとインテグリンの結合を促進すると言われているラミニンγ鎖C末端の短鎖ペプチドとをタンデム配置できるような分子設計を行った。最終年度に当たる今年度は、とくにコラーゲンゲル/インテグリン結合性ポリペプチド/神経幹前駆細胞複合体の動物脳内移植試験を行い、本移植法が細胞の生存および炎症性ミクログリアの浸潤阻止に有効であることを示した。現在、本研究成果に関して論文を投稿中である。 (2)神経幹細胞からドーパミン産生細胞への誘導に効果のある制御因子として脳由来神経栄養因子およびグリア細胞株由来に注目し、それらに基材結合性ポリペプチドを融合したキメラタンパク質を合成し、基材表面に配向固定した。その表面で神経幹細胞を培養した結果、神経分化およびドーパミン産生細胞の誘導が促進された。また、そのような効率の良い分化誘導が起こる原因について、リガンドの結合に基づく受容体の活性化およびシグナル伝達の観点から考察した。現在、本研究成果に関して論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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