2013 Fiscal Year Annual Research Report
成長因子の構造安定化と放出制御機能を兼備した血管再生用マテリアルの創製
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22300165
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大谷 亨 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10301201)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 組織工学材料 / 塩基性アミノ酸 / ポリグリセロール / デンドリマー / 相互作用 / 架橋 / 安定性 |
Research Abstract |
本研究では、樹状構造を有するグリセロール(ポリグリセロールデンドリマー: PGD)が生理活性タンパク質の構造安定性に及ぼす寄与を明らかにし、構造安定化された細胞成長因子放出制御が可能な血管再生用マテリアルを創製することを目的としている。昨年度の成果により、塩基性タンパク質のひとつでもある成長因子の塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)がPGD存在下において熱安定性が向上したことを受け、塩基性アミノ酸残基がPGDと相互作用していることが安定性に寄与しているものと示唆された。そこで、塩基性アミノ酸であるL-アルギニンとL-リジンを含む種々のアミノ酸およびアミノ酸類似化合物とPGDとの等温滴定型熱量(ITC)測定を行った。その結果、L-アルギニン, L-リシン、L-ヒスチジンがPGD と相互作用し、α-アミノ基の存在しないL-アルギニン,及びL-リシン類似構造化合物では相互作用がみられなかった。従って、PGD との相互作用にはゲスト分子1 分子内に2つのアミノ基が必要であり、これらがPGD 内部のエーテル性酸素とファンデルワールス相互作用していることが示唆された。これら2つの塩基性部位とPGD との相互作用は、2次元1H-1H NOESY NMR 測定の結果からも支持された。以上のことから、PGDと塩基性アミノ酸残基との相互作用によってbFGFの熱安定性が保持されているものと示唆された。 一方、PGD架橋ゲルの調製方法について見当したところ、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて架橋すると、放出制御可能なマトリックスを有するゲルとなることをモデル薬物放出により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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