2010 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェントコアセルベートによる新規バイオマテリアル創成
Project/Area Number |
22300173
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
青柳 隆夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, 領域コーディネーター (40277132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荏原 充宏 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, 主任研究員 (10452393)
山元 和哉 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (40347084)
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Keywords | 刺激応答性 / コアセルベート / 温度応答性 / ゲル |
Research Abstract |
本研究ではまずはじめに、申請者らが設計した水酸基を有するHIPAAmモノマー及びカルボキシル基を有するCIPAAmモノマーをそれぞれNIPAAmとフリーラジカル共重合することで目的のコアセルベート形成ポリマーを調製した。コモノマーの仕込み量により共重合組成比を制御し、系統的な組成比を有する共重合体を作製した。合成した高分子の刺激応答挙動を紫外可視分光光度計を用いて測定した結果、HPAAm、CIPAAmの両親水性モノマーの共重合化させることにより、大幅に曇点が上昇することがわかった。そこで、NIPAAmを64モル%、HIPAAMmを30モル%、CIPAAmを6モル%を共重合組成とするコアセルベート形成ポリマーを合成した。 別に、超常磁性のナノ粒子を湿式法により調製した。この材料は、反応の過程で、オレイン酸と結合して安定化している。先に調製したポリマーを用いて、この酸化鉄ナノ粒子をリガンド交換反応によって表面修飾した。コアセルベート形成ポリマーと、この表面修飾粒子を均一に分散させ、昇温することにより複合型コアセルベートを形成させることに成功した。調製したナノ磁性微粒子含有コアセルベートの性質について検討を行った。透過型電子顕微鏡では、明らかに、コアセルベート滴内にナノ磁性微粒子が存在すること、また、表面修飾を当該ポリマーを用いて行わないと、ナノ磁性微粒子を内在させることができない等、予備的な検討結果が得られた。これらの知見をもとに、さらにこの極めてユニークなナノ磁性微粒子含有コアセルベートの物性を追求していく。
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