2010 Fiscal Year Annual Research Report
継続的がん温熱根治療法を可能とする在宅自動治療システムの開発
Project/Area Number |
22300174
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 文博 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60323060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田倉 哲也 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00551912)
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Keywords | がん / 温熱療法 / ハイパーサーミア / 在宅治療 / 低侵襲 |
Research Abstract |
本研究の目的は,がんの簡便な在宅治療を可能とする画期的なシステムを構築する事にある.本提案では,ハイパーサーミア(温熱)療法を用いる事とし,注射器により刺入が可能な埋込型の針状素子と位置依存性を皆無とした画期的な外部コイルを用いた在宅治療システムの構築を目標に,まずは外部コイルについて検討を進めた.位置依存性の無い外部コイルには多方向の励磁システムが必要である.その為,本システムには少なくとも二つ以上の磁界源が必要である.通常はコイルに電源などから電流を流すと磁界源となるが,コイルからの磁界が別のコイルに入射しても,電磁誘導により誘導電流が生じ磁界源となる.つまり,一つのコイルに電源から電流を流し,電磁結合をする位置に複数の励磁コイルを設置することで,単独の電源のみで複数の磁界源を実現できる事を確認した.今回は,電源に接続したコイルに複数の周波数から生成した歪波形を入力する事とし,磁界源のコイルはそれぞれ異なる周波数で共振するように設定した.これにより各々の周波数の磁界を発生させることができ,磁界源のコイル同士が強く電磁結合をしても,誘導電流の周波数では大きなインピーダンスとなるため,誘導電流の影響が非常に小さくなる構成を得る事が確認できた.続いて,電源に接続したコイルに150kHzと300kHzの周波数から生成した歪波形を入力し,磁界源となるコイルを設置した.各3つのコイルからの磁界をサーチコイルで測定し,電圧波形を取得した.この結果から単独電源で複数磁界源の生成が可能であることが実験的に得られ,より簡素な治療用励磁装置の構築が可能となった.
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Research Products
(5 results)