2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍集積型光触媒ナノ粒子の創製と超音波力学的がん治療
Project/Area Number |
22300177
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 宣明 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (50019634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁宮 一章 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10379125)
松本 邦夫 金沢大学, がん研究所, 教授 (90201780)
黒田 俊一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (60263406)
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Keywords | 二酸化チタン / 超音波触媒 / ナノ粒子 / ラジカル / がん治療 / 標的化 / DNAアプタマー / がん幹細胞 |
Research Abstract |
本年度は以下の項目について取り組んだ。 (1) 水中に超音波を照射した際に生じるOHラジカルの生成量について、超音波強度と周波数(100~1000kHz)の影響を検討した。低エネルギー領域(0~3W)では300kHz、高エネルギー領域(4~6W)では1000kHzで最もOHラジカルの生成量が多いという結果が得られた。また100kHzでは、超音波エネルギーの高低に関係なく、OHラジカルの生成量は少なかった。 (2) ヒト肝がん細胞であるHepG2細胞を特異的に認識するDNAアプタマーの獲得を目的としてCell-SELEX法によりDNAアプタマーの選抜を行った。Cell-SELEXを11Round、正常ヒト肝細胞によるカウンターセレクションを4回行うことで、HepG2細胞を特異的に認識するDNAアプタマーの候補を選抜し、その塩基配列を決定した。二次構造により6種類に分類し、その内の5種類について機能評価を行った。その結果HepG2細胞を特異的に認識するDNAアプタマーを得ることができた。獲得したDNAアプタマーについて、モデル肝がん細胞HepG2に対する結合能を評価した結果、そのK_dは約10^<-8>Mであった。 (3) リポソームからの薬剤放出を制御する外部刺激として超音波を、リポソームを腫瘍部位に集積させるがん細胞認識分子として、DNAアプタマー、あるいは葉酸(Fohc acid)を用いた新規リポソームの構築を行った。温度感受性高分子(2C_<12>-poly (NIPMAM-co-NIPAM)修飾リボソームは、超音波照射により高効率で内包物を放出した。アプタマー修飾リポソームのがん細胞への結合は確認できなかったが、この原因として、アプタマーの添加量が少なかったことが考えられる。一方、葉酸-温度感受性高分子修飾リポソームのがん細胞への有意な結合が確認できた。
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[Journal Article] Construction of protein-modified TiO_2 nanoparticles for use with ultrasound irradiation in a novel cell-injuring method.2010
Author(s)
Ogino, C., Shibata, N., Sasai, R., Takaki, K., Miyachi, Y., Kuroda, S., Ninomiya, K., Shimizu, N.
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Journal Title
Bioorg. Med.Chem.Lett.
Volume: 20
Pages: 5320-5325
Peer Reviewed
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