2011 Fiscal Year Annual Research Report
治療支援のためのMDCT画像を用いた肺疾患の統合的診断支援システムの構築
Project/Area Number |
22300179
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木戸 尚治 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90314814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 尚文 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40157334)
田中 伸幸 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90294636)
橘 理恵 大島商船高等専門学校, 情報工学科, 助教 (90435462)
平野 靖 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90324459)
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Keywords | 治療支援 / MDCD / 肺疾患 / 診断支援 |
Research Abstract |
当該年度においては,前年度から引き続き多列検出器型CT(MDCT)装置から得られる高精細な三次元画像データを用いた肺疾患の診断を統合的に支援するコンピュータ支援診断アルゴリズムの開発をおこなった.本年度の成果としてはびまん性肺疾患鑑別の診断支援に関するアルゴリズムを開発して6種類の陰影パターンに対して90%以上の識別率を得ることができた.またびまん性肺疾患の鑑別診断支援をおこなうための前処理として,従来手法では困難であったびまん性肺疾患を含む左右肺野領域の抽出および肺葉領域の分割をするためのアルゴリズムの開発をおこなった.肺機能解析に関しては,COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者を対象として吸気・呼気の2時相のCT画像の非剛体位置合わせに基づき呼吸による変位ベクトル場を求めエア・トラッピングなどの呼吸機能解析をおこないSPECT画像との比較により有用性を示した.また気管支病変を解析するための気管支壁厚を計測するアルゴリズムの開発をおこない医師の診断に有用となるように可視化した.限局性病変の診断支援として,肺結節のセグメンテーションアルゴリズムの改良をおこない臨床医と比較して精度の検討をおこなった.本研究では画像診断支援だけではなく外科的・内科的治療に対する支援をおこなうことも目的としており,癌の外科手術支援を目的として術後肺の予後評価のためのセグメンテーション手法の開発や肺区域切除術を支援するための肺区域分割のための手法の開発をおこなった.さらに,肺葉を切除した肺の術後機能を評価するために,ボリュームデータから抽出した気管支を用いた肺の気流シミュレーションアルゴリズムの開発と評価もおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である,外科的・内科的治療支援のために,MDCT装置から得られる高精細な三次元画像データを用いて肺の腫瘤性疾患や,びまん性疾患を含めた形態学的診断および吸気・呼気やPET画像などの機能的診断を統合的に支援するCADシステムを構築に関して,それぞれのアルゴリズムの開発はおおむね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては,臨床的な評価とさらなるアルゴリズムの改良が重要と考えられる.そのために,びまん性肺疾患や肺機能解析用に新たにデータを入手し実験をおこなうことにしている.その他のアルゴリズムに関しても随時新たなデータを入手して実験をおこなう予定である.
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