2010 Fiscal Year Annual Research Report
心大血管術後の筋蛋白分解を抑制する電気刺激療法の開発
Project/Area Number |
22300186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 純生 名古屋大学, 医学部・保健学科, 教授 (80359752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 勤 名古屋大学, 医学部, 教授 (20378219)
碓氷 章彦 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30283443)
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Keywords | 筋タンパク分解 / 心臓外科術後 / バイオマーカー / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成22年度は心臓外科術患者を対象に、術後発生する筋力低下と手術侵襲による筋タンパク異化作用の関係を、術後骨格筋筋力(非利き手握力、膝伸展筋力、呼吸筋)の変化、尿中3-methylhistidine(3MH)、血清interleukin-6産生量ならびに血中アミノ酸、各種ホルモン動態より検討することを主目的とした。平成22年12月より取り込みを開始し、平成23年3月現在までに70例を対象とし37例を取り込み調査した。骨格筋筋力は各指標とも術前に対して術後7日で約70%、術後14日で約80%と低下し、術後変化率の推移は近似していた。その変化量は、術後の3-methylhistidineならびにinterleukin-6と関係し、特に握力ならびに膝伸展筋力において正の相関関係を認めた。また術後は、芳香族アミノ酸に対する分岐鎖アミノ酸の比(Fischer比)の低下と、成長ホルモンに対するインスリン様成長因子1型の比の低下を認め、異化作用の亢進と同化作用に対する抵抗性の亢進が示された。これらの結果より、心臓外科術後の筋力低下は術後異化作用亢進による筋タンパク分解の影響を受けることが示された。上記の成績は平成23年3月1日に開催された第39回日本集中治療医学会合同シンポジウムにて発表を行なった。更に、術後早期より電気刺激介入を行う群を設け、電気刺激による術後筋タンパク分解の抑制作用の検討を始めた。今後は、これまでの症例の測定・検討を継続するとともに、順次学会報告・紙上発表を行うこととした。
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