2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動遂行に伴う感覚情報処理機構の解明-脳磁図を用いた研究-
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22300192
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大西 秀明 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90339953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 俊雄 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (40339974)
大山 峰生 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10367427)
菅原 和広 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10571664)
田巻 弘之 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (40253926)
桐本 光 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (40406260)
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Keywords | 脳磁図 / 運動関連脳磁界 / 体性感覚誘発脳磁界 / 運動感覚 / 体性感覚 / 触覚刺激 |
Research Abstract |
運動遂行時における体性感覚情報処理機構を明らかにすることを目的として次の実験を行った. <実験1>自発運動時に大脳皮質から検出される脳磁界反応のうち,運動感覚を反映していると考えられている運動誘発脳磁界第一成分(運動直後の最も大きな波形)を誘発している感覚受容器を明らかにするために実験を行った.対象は健常成人9名であり,脳磁界の計測には306チャネル全頭型脳磁界計測装置(Neuromag)を使用した.示指伸展自発運動時の運動関連脳磁界反応を計測し,さらに,示指伸筋のみを単独で収縮させるために,ワイヤー電極を利用したモーターポイント刺激を行い,体性感覚誘発脳磁界の計測も行った.その結果,運動誘発脳磁界第一成分とモーターポイント刺激時に誘発される磁界反応は全く同じものであることが明らかとなった.すなわち,運動直後の運動感覚は主動作筋の筋紡錘の活動を反映しているものと推察することができた.<実験2>6名の健常男性を対象として,自発運動時と他動運動時の脳磁界反応を比較した.その結果,自発運動時に観察される運動関連脳磁界反応は,全ての被験者の左感覚運動領域で著明に観察された.運動関連脳磁界波形の中で最も振幅が大きかったのは,運動直後に観察される運動誘発磁界第一成分であり,ピーク潜時は30.1±4.8ミリ秒であった.一方,他動運動時においても,左感覚運動領域で著明な磁界反応が観察され,振幅が最も著明であったのは他動運動開始後37.6±8.0ミリ秒であった.電流発生源をみると,自発運動直後の運動誘発磁界第一成分は正中神経刺激後約20ミリ秒後に観察される波形(N20)の電流発生源よりも内側に位置していた.一方,他動運動時に最も強く反応した際の電流発生源は,N20の電流発生源とほぼ同様であり,運動誘発磁界第1成分よりも外側であった.
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Research Products
(5 results)