2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサル色覚バリアフリー促進のための新しい色視力検査装置の開発
Project/Area Number |
22300196
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 清 信州大学, 工学部, 教授 (20273071)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 色覚バリアフリー / 色視力検査装置 |
Research Abstract |
色視力を検査するためには、検査画面上の背景と背景上に存在する指標との間の色の差異を正確に計測できなければならない。このため、まず色視力の検査に有効な色および色の組み合わせを調査した。従来から医療現場で利用されてきたSPP色覚検査表、パネルD-15色覚検査、およびニューカラーテスト等に利用されている色をベースに検討し、検査に有効な色のリストを作成してデータベース化した。 次に、検査画面の背景上の指標として、ランドルト環を利用する検査方法を検討した。検査画面をLCDに表示して検査を行うため、ディスプレイの解像度(ドットピッチ)およびディスプレイと被験者間の距離を考慮した利用方法を検討した。背景色および指標色の組み合わせ、明度、指標の大きさ、指標の提示時間、指標の提示要領などを考慮した検査パラメータを総合的に検討した。また、これらの検討結果を踏まえ、色視力検査法として検査結果の判定フローを検討した。 さらに、開発した色視力検査法の妥当性、有効性を心理物理実験により検証した。信頼度の高い臨床データを得るために、検査色の専用LCD上での表示精度を高性能専用分光放射輝度計を利用して測定したところ、高精度に色を表示できていることを確認した。臨床検査は医師が被験者に対して行い、検査後収集した臨床データを分析し、期待した測定結果が得られているかを判断したところ、従来測定できなかった人の色視力を効果的に測定できることがわかった。
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