2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300197
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石田 健司 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (10274367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 碩玉 高知工科大学, 工学部, 教授 (90250951)
細田 里南 高知大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (10626138)
榎 勇人 高知大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (40598538)
永野 靖典 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (30380372)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歩行器 / 筋力 |
Research Abstract |
全方向型歩行訓練器を1台作成した。本機器は床面をトレッドミルとし、トレッドミル自体を360度自由に、設定した角度に回転することができるようにしたものである。本機器に持たせたい機能は、①車いすから本機器へのスムーズな騎乗 ②トレッドミルのスムーズな動きと正確性 ③トレッドミル本体のスムーズな回転と正確な回転動作 ④牽引機能の正確性と安全性 である。これらの機能により、前歩き・後歩き・横歩き・斜め歩きなど、人間が本来持っている複雑で複合的な歩行動作の訓練ができる機器になり得た。このような機器は、国内外に存在しない。 昨年度、本開発機器を用いて健常人10名:平均年齢50歳に、始めの2週間右方向3分歩行訓練、次の2週間左方向3分歩行訓練を行わせ、徒手筋力測定器で左右の中殿筋、大腿四頭筋、腸腰筋の筋力を訓練前と訓練後に評価した。良好な筋力増強が認められ、本機器の有用性(筋力増強・転倒予防への有用性)が期待された。そして、今後の地域への展開を考慮して、ポータブル型の歩行訓練器も1台作成した。 しかし、地域への展開を行うために検証した耐久性実験において、上記①②④の機能は正確に確実に行えたが、③の機能の耐久性に問題が見つかった。具体的には、100kgの荷重のもとでトレッドミル本体の回転を50回繰り返すと、5度の誤差が生じた。この耐久性の検証で、回転盤が徐々にずれる傾向が見られたため、地域での検証において安全性に問題が出る可能性があると判断し、地域での検証は行えていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発機器に持たせたい機能として、①車いすから本機器へのスムーズな騎乗 ②トレッドミルのスムーズな動きと正確性 ③トレッドミル本体のスムーズな回転と正確な回転動作 ④牽引機能の正確性と安全性 がある。①②④には問題はなかったが、③に問題が見られた。100kgの荷重のもとでの耐久性調査(トレッドミル本体の回転を、50回繰り返す調査)において5度誤差が生じた。 この耐久性の問題点(回転盤が徐々にずれる傾向)が見られたため、その修理に1年近く時間を要した。そのため、地域での高齢者に対する検証ができていない。 しかし、基本的なパイロットデータは集積できている。その結果では、訓練期間については当初計画していた12週間は必要ないと思われ、6週間の訓練で目的が達成可能と考えられる。そこで、最終年度に行うと決めていた「機器の公開展示期間」を利用して、H25年内に高齢者の有用性を調査することは、可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
<固定式全方向歩行訓練器の健常高齢者に対する訓練効果の検証> 代表研究者の石田により、高知大学リハビリテーション部で行なう。 方法:65歳以上の健常高齢者70名を対象とする。コントロール群10名(A群)とし、訓練対象者60名を20名ずつ3群(B・C・D群)に分ける。A群:コントロール群(10名)、B群:通常前方歩行群(20名)、C群:左右側方歩行群(20名)、D群:斜め後方歩行群(20名)とし、ランダム化は「くじ」で分ける。A群はリハビリテーション部に来てもらうが、訓練せずに5分間リハ部に滞在し、そのまま帰宅させる。B・C・D群に対しては、歩行器訓練を週2回、1回につき5分間行なう。B群は前方歩きを5分間、6週間。C群は初めの3週間は右横歩き、次の3週間は左歩きを各5分間。D群は初めの3週間は右斜め後方歩き、次の3週間は左斜め後方歩きを各5分間行う。 評価:評価は訓練前後に行なう(訓練開始前・3週後・6週後の評価)。 1.筋力測定(大腿四等筋・中殿筋・腸腰筋の徒手筋力測定器による評価) 2.バランス評価(①開眼・閉眼の重心動揺計計測、②ファンクショナル・リーチ測定、③開眼単脚直立時間測定) 3.俊敏性評価(①Timed Up & Goテスト評価、②10m歩行時間) <上記の訓練成果を基に、本機器の有効性を広く社会・国民に発信する方法> 本研究の研究成果を社会・国民に発信する方法として、学会への出展や介護福祉機器の展示を通して、一般の方々や専門家に本機器の有用性を認識してもらう。
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Research Products
(3 results)