2012 Fiscal Year Annual Research Report
新たなソケット作製キット導入により早期義肢装着を可能にするシステム構築
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22300200
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
根本 明宜 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20264666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 朋和 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30363831)
水落 和也 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (60254182)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 義足処方システム / 早期退院 / 早期歩行獲得 / 下腿切断 |
Research Abstract |
平成22年度よりその場で完成できるソケット作成キットと全表面に均等に圧をかけてソケットを硬化させる加圧機を用いて作成した義足により、採型とソケット装着の時間差を無くし、頻回にソケット交換することで、より早くに断端の形状が安定し、実用的な義足歩行を獲得するシステムを用いての義足処方を行っている。評価のため、3次元スキャナーを用いて断端形状の計測を行っている。平成23年度に1例エントリーがあり、義足処方後の経過観察で定期的に計測を行っている。 平成24年度は症例のエントリーを進めたが、1例しか追加できなかった。下腿切断への義足処方は3件有ったが、新方式での義足作成に問題があったり、同意がいただけなかったりでエントリーは1例に留まっている。従って、今年度は昨年度症例の計測の継続と新規症例への義足処方、断端形状の計測を継続した。新規1例には、ギプスでの簡易ソケットを2回作成、ソケット作成キットを用いてのソケット作成を2回行って実用的な義足歩行の獲得に至っている。2例とも順調に義足処方、歩行獲得に至っているが、何分症例数が少なく統計的検討はできず、報告に至っていない。 対象とすべき過去の症例については検索を進めており、データベースとして整理できた状況である。エントリーした症例数が確保できた段階で今後比較検討する。 症例数が増えないため、本学附属市民総合医療センターでの症例エントリーおよび計測も検討したが、断端末の計測に時間を要すること、機材の運搬が現実的には難しい事などあり、出張での計測は断念した。本学附属病院への切断患者の紹介依頼を強化することで対応することとした。 分担研究者の高倉朋和が年度末で退職のため、今年度末で分担研究者を外れ、後任の助教に分担を依頼する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
症例の集積が進まず、完全に遅れている。院内の切断症例は全てリハビリテーション科にかかる仕組みになっているが、切断そのものが少ないこと、新たなシステムを適応するには断端に問題がある症例であったり、研究への同意がいただけないなどあり、症例登録が進んでいない。患者さんがいないのでどうにもならない部分である。
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Strategy for Future Research Activity |
とにかく、症例集積を進める。附属センター病院以外にも当院の関連の病院に依頼し、義足作成を当院で行う事を可能な限り増やす方向で動いている。これまでの2例では2週ほど早く義足歩行を確認し、退院できており、断端の形状も望ましい状況になっているので、症例数を増やして研究を完遂したい。切断があるかないかに依存する部分でしかたない部分ではあるが、可能な範囲で推進する。
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